コロナ禍 と 共通テスト と 勇断

 新型コロナウイルスの流行がなかなか終息する気配がないまま、各学校では新学期が始まっています。富山では、高齢者が感染するケースが多く、結果として死亡率(死亡者数/感染者数の割合)が全国で最も高いという報道もありました。継続して感染予防をしていかなければいけませんね。

 

 さて、このコロナ禍で、大学入試のあり方が変わりつつあります。横浜国立大学は、来年度の入試において、一般選抜の個別学力検査(二次試験)を一部を除いて実施しないということを発表しました。教育学部以外では、学力検査としては、大学入学共通テストの結果のみで合否を判定するということです。このような思い切った決断は、簡単にはできないことだと思いますが、大学側が「優先順位」を熟慮した結果の決断だったのだろうと思います。今後の状況次第で、急遽、横国大と同じ対応をとる大学が出てくる可能性もあります。逆に感染が拡大している地域にも関わらず、もしくは、全国各地から大多数の受験者が同一会場に集結して入試を受ける大学であるにも関わらず、「何としても大学独自の試験で合否判定をせねば」と二次試験を強行実施する大学もあるかもしれません。大学側が何を優先するべきかは、非常に難しい問題ですが、試験会場でのクラスター発生などが報道されようものなら、世間からの批判は免れないでしょう。そして、その場合、横国大は改めてその「勇断」を評価されることになるわけです。

 

 来年の1月16・17日に全国で一斉に「第1回」大学入学共通テストが実施される予定です。今年の高3生は、「共通テスト」受験の第1期生となります。何しろ初めての試験ですから、今の段階でその内容・質に言及することはできませんが、前身の「センター試験」は、物議を醸す問題がしばしばあったものの、概ね上質な試験と評価されてきたのではないでしょうか。「共通テスト」に変わるこのタイミングで、思考力などの従来あまり測れていなかった力を測ることや、【英語】であれば、より実践的な技能を試すことをねらい、問題形式などの改訂がなされるわけですが、それでも従来の「センター試験」の問題自体の質は高く、受験者の学力をしっかりと測ることができる信頼のおけるテストであったと考えています。同じく「大学入試センター」が作成する試験である「共通テスト」もまた、信頼に足る試験である可能性が高いと考えています。この意味において、個人的には、他の大学(少なくとも地方の国公立大)も横国大と同様の対応を取ることが、この有事においては、優先順位を考慮した「勇断」となるのではないかと考えます。

 

 ところで皆さんは、普段の学習中、そして、試験中に、「優先順位」をどれほど意識していますか?「予習が大変な科目が学校の時間割上何曜日にあるのか」、「各課題の提出は何日なのか」、「得点が高い問題は第何問なのか」、「自分の得意・不得意を加味して、時間を割く価値がある問題は第何問なのか」…。勉強に関すること以外でもそうですが、特に「結果」が求められる受験生は、【いまは何となくこの勉強をしている】という時間を削り、【優先順位に従ってこの勉強をしている】と断言できるような時間の使い方をしてほしいと思います。また、決して長くない試験時間を最大限に活用するためには、そしてその制限時間内に最も得点するためには、ときとして、「捨てる」決断を迫られる場合もあるでしょう。その決断が、最後に「勇断」だったと自ら評価できるようにするためにも、日頃から時間を計って問題演習をし、難しい問題に固執せずに「捨てる」勇気を養うことも大切です。