育英センター 田中の教育ブログ「国語が苦手なのですが…その2」
富山本部校別館(中学部)
前回の続きからです。
③「普通はどう考えるのか」、という視点を持つ
読書は嫌いではない、むしろ本は結構読んでいる、という生徒からも「国語が苦手」と相談される場合が多々あります。
そういう生徒には、テストの問題用紙と解答用紙を持ってきてもらい、解答を分析してアドバイスを行うのですが、よく陥っている罠が下記です。
・文章に書いていない内容(=「自分」の考え)を勝手に足してしまう、または筆者の言葉を、自分の言葉で置き換えた結果、文意がねじ曲がっている。
・文学的文章において、登場人物になりきった「自分」の考えで答えてしまっている。
これまでの読書により、読解力は十分にあるのですが、それと同時に先まで推理する、または深く(主観的に)読み過ぎるといった弊害が生まれている訳ですね。
ここで必要なのは、「一般的にはどう考えるのが普通か」、と言う視点です。感覚的に言えば、自分の感性のボリュームを少し絞ってやる、と言った感じでしょうか。
「本文中の言葉を使って~」という指示がある記述問題が多くありますが、これは「自分の言葉は最低限で~」と同義だと言えます。自分の表現力は自由記述や作文で発揮しましょう。
④国語は「思いやり」の教科
記述問題においては、本文を読んでいない相手にも伝わるような、主語・述語・目的語…がきちんと備わった文を書かなくてはいけません。
要は出題者、そして採点者の立場を思いやった文章、と言うことです。
例えば、大型ショッピングセンターで迷子になってしまった子供を想像してみてください。
幼児であれば、大声で泣いていれば、周囲の人がサービスカウンターへと案内してくれるでしょう。以下、サービスカウンターの職員との会話です。
「迷子になったの?」――「ウエーン、ママーッ!」泣きながらうなずく
「お名前は?」――「グスッ、グスッ、ダイスケ…」
「上のお名前は?」――「…タナカ」
「年齢は?」――泣きながら指を4本立てる
「どこからきたの?」 以下、略
このように、相手がいちいち聞かないと答えられません。
国語力のある迷子は、
「迷子になりました。アナウンスをお願いできますでしょうか。私、姓は〇〇、名前は△△と言うものです。年齢は~歳です。父といっしょに※※から来ました…」以下、略。
と、迷子の放送に必要であろう情報を先回りして伝える訳です。
つまりサービスカウンターの職員に対する、思いやりが必要なんですね。
自分だけ(=文章を読んだ人間だけ)が分かっている情報を省略したり指示語で表したりするような、一方的な文章は論外です。
出題者が求めているであろう内容を察知して過不足なく書く、そして採点する立場の人が理解できるよう書くことが大切です。
以上、国語が「思いやりの教科」であると主張する所以です。
次回に続きます。
2018/10
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