前回に引き続き、こちらの想像を超えた解答をする生徒の話です。今回は肩の力を抜いてお読みください。

書店やコンビニなどで「生徒の珍解答」を集めた本を目にすることがありますね。

私も長年に渡ってこういう仕事をしており、たくさんの珍解答に巡り合ってきましたが、正直、ふざけて狙ったような解答は全く面白くないです。むしろ怒りすら覚えることもあります。

ただし、「正解かは分からないが、一点でも多く取ろう」と努力したもの、あるいは前回のコラムでも書いた「スポットライトを当てる角度が違う」ものは、記憶に残りますね。

今年、国語の「体の一部を使った慣用句」のテストでこんな答えが出ました。

Ｑ：（　　　　　）が鳴る　…　意味：物事を始めるに当たり、意気が上がる。

当然、正解は「腕が鳴る」です。しかし…

中３男子の答え　（　　骨　　）が鳴る

どうしてこんな答えを書いたのか聞いてみると「……北斗の拳。」とお答えになりました。

「ポキッ、ポキッ」てやつですね。まさか中３生が北斗の拳を知っているとは、と驚いていたら、隣の中３女子も「アタタタタってやつでしょ？」とご存じでした。

しかし、鳴っているのは骨ではなくて関節の滑液ですね…

上記の答えもなかなかですが、ここで過去のレジェンドの、同じテストでの答えをいくつかご紹介いたします。

Ｑ：（　　　　　　）を落とす　…　意味：がっかりする。

正解は「肩を落とす」です。しかし…

レジェンドの答え　（　　命　　）を落とす

これはがっかりすぎですね…

Ｑ：二階から（　　　　　）薬　…　意味：回りくどくて効果が得られないこと。

正解は「二階から目薬」です。しかし…

レジェンドの答え　二階から（　　麻　　）薬

ほかにも、このレジェンドは動物の慣用句でもすごい解答をしてくれました。

（　　　　　）の巣をつついたような大騒ぎ　正解：蜂　レジェンドの解答：ツバメ

高級食材ですね…

（　　　　　）の手も借りたい　　　　　　　正解：猫　レジェンドの解答：孫

ただの背中がかゆい人ですね…

月と（　　　　　）　　　　　　　　正解：スッポン　レジェンドの解答：ウサギ

メルヘンです…

最後に、別のレジェンドの英語編を。

昔、英語の教科書サンシャインに、「サンタっているの？――Is there a Santa Claus?」という有名なお話が載っていました。

バージニアちゃんという８歳の女の子が、ニューヨークのサン紙に投書した話です。

～記者さんへ　「サンタクロースなんていない」という友達がいます。パパは「新聞社にきいてみなさい。」といいました。サンタって本当にいるの？～

これに対し、サン紙は紙面を大きく割き、「Yes, Virginia, there is a Santa Claus.」と社説で、理由と共に返事をしています。本当に素敵な話ですね。

さて、テストにて。

Ｑ：Virginiaの次の質問に、英語で答えなさい。

Is there a Santa Claus?

解答欄（　　　）,(        ) (        ).

正解：（　Yes　）,( there  ) (  is    ).

レジェンドの解答：（　Hi　）,(  I’m  ) (  Santa  ).

明らかに視点が違いますね。

このレジェンドは、その後高校バスケでウィンターカップを制しましたが、この視野の広さが生かされたのではないでしょうか。

2021/4追記

現在、彼は関東実業団リーグでプレイしています。

彼が先陣をきって明成高校に飛び込まなければ、今の八村塁選手の活躍もなかったかもしれませんね。

2018/10