富山育英センター

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育英センター 田中の教育ブログ「検定のすゝめ その1~英検編~」

富山本部校別館(中学部)

過去の記事で取り上げましたが、以前、福井県立高校入試において、英検の取得級に応じて入試の点数に加点される制度がありました。

2級以上の取得にはプラス15点、準2級でプラス10点、3級で5点を英語の点数に加点するものでした。

ただし、英語の点数への加点であり、100点以上にはなりません。

極論を言えば、入試の英語の点数が100点ならば、全く加点が行われないということです。

 

当時の福井県教委の発表によれば、

①加点で英語が上限の100点に達した生徒は18人(全員結果は合格)。

②加点による逆転合格は13人。

③受験者の77.6%が英検準2級以上を取得しているという高校もあれば、3級以上の取得者が5.8%にとどまった高校もあった。

 

私はこれを見て、意外に思った点がいくつかありました。

まず、①についてですが、英検2級以上の取得者が86名、準2級の取得者が837名いたことを考えると、加点で100点に達したのが18人とは少ないように思います。

②においても、5~15点の加点は入試においてかなり大きいにもかかわらず、13人とはかなり少ないですね。

そして③は驚きのデータです。おそらくは藤島高校だと推測されますが、受験者の8割近くが英検準2級以上を取った状態で受験していた!!!!

 

富山県・石川県のトップ校での受験生のデータがないため、福井県とは比較できませんが、おそらく相当な差があるものと思われます。

福井県は国の目標値である「中3終了時、英検3級以上の英語力を有する生徒が50%」を大きく超え、当時全国第一位の62.8%を達成しました。

 

福井県の福大附属中もそうですが、各県の附属中生は特に、英検への取り組みが熱心ですね。

金沢本部校では現在、中2で準一級まで到達している塾生もいます。

 

さて、もう一度福井県の英検加点制度を振り返ります。

 

当時、英検準2級以上を取得していた受験生は全部で923名いました。

しかし、10~15点の加点があるにもかかわらず、100点に達した生徒は18名のみでした。

 

ここから分かることは、英検準2級(準2級で目安は高校中級レベル)以上を取得していることと、中学レベルのテスト・入試をほぼ完璧に解く実力があることは必ずしもイコールではないということです。

まあ、これは現場で英語を教えている先生方、みなさん分かっていることですね。

しかし、英検の上の級に意欲的に挑戦していく生徒の成長には目を見張るものがあることも同時によく分かっています。

 

将棋の羽生善治先生が小学生の時、最初に入った道場は7級からスタートする決まりでしたが、道場の席主が昇級の楽しみを覚えてもらうため、あえて14級からスタートさせた、というエピソードがあります。

英検においても、将棋と同じく、上の級に挑戦していく楽しみがありますね。

 

自分の学年目安より先の英検の級を取得できると、子供たちにとって大きな自信になりますし、より英語が好きになるでしょう。

しかし、ここには大きな落とし穴も潜んでいます。英検の取得が自信ではなく「過信」になってしまうことです。

 

早くから英検3~4級以上を取得している、という中学生・小学生のお子さんがいらっしゃる方は

試しに下記の簡単な問題(中1レベル)をお子さんに解かせてみてください。

 

Q:(   )に入る語句として、適するものを下の1~4から選んで答えましょう。

What time (   )your school start every day?

1   are    2   is    3  do    4   does

 

 

 

 

 

すぐに4と答えられたなら大丈夫です。

3も間違いの中では良い方ですね。

良くない答えは1と2です。

1と2を選んだお子さんは、Do you~?とAre you~?の区別がついていない可能性があります。

そうなると中1の2学期以降、定期テストで思ったように点数が取れなくなる(なった)はずです。

 

小・中学生対象、教科の好き嫌いランキング(2015ベネッセ教育総研調べ)の話に移りましょう。

小学5年生対象の調査では、家庭・図工・体育についで好きな教科第4位に入った外国語(英語)活動ですが

中学2年生対象の調査では、なんと英語が最下位となります。

実技・総合も含んだ10教科(活動)での回答です。

「可愛さ余って憎さ百倍」ではないのですが、好きだった教科だけに、点数が取れなくなり始めると途端に「大嫌い」に豹変する危険性を秘めている訳ですね。

教育はある意味、自信をつけさせることと、過信を戒めることの繰り返しともいえます。

「自分はもう英検○○級をとっている」という自信と、目の前の定期テストの点数との乖離に苦しんでいる方は、やはり基礎練習の徹底が必要です。

また、東京都立高校入試で2022年から予定されているスピーキングテストの導入は、全国的に広がっていくと予想されます。

大学入試も同様ですね。今から対策をぜひとっていきましょう。

 

育英センターでは、今年度より中学生の英語をR&W(読む・書く)と

L&S(聞く・話す)に分けて授業展開しております。

 

特にELSTというアプリを用いた、L&Sの授業につきましては大変ご好評をいただいております。

英検対策アプリを内蔵しており、1次試験対策アプリのほか、2次試験の面接(準一級まで)が、面接カード各級20枚付きで練習できます。

合否予想も、AIを用いて判定してくれますし、発音がうまくいっていないところが単語ごとに色分けされて出てきます。

 

また、学校の教科書の全文も掲載されており、定期テスト対策にも大きな力を発揮します。

 

まだ受講しておられない方は、ぜひご検討ください。

 

次回の記事は、数検や漢検など、他の検定についてお話しします。

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