富山育英センター

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育英センター 田中の教育ブログ「呪(しゅ)」

富山本部校別館(中学部)

昔「陰陽師(おんみょうじ)」が流行り、私も小説や漫画にはまったことがあります。

特に印象に残っているのが、「呪(しゅ)」に関するくだりです。

安倍晴明によると、呪とは「ものの根本的なありようを決めることば」であり、「呪とは名であり、目に見えぬものさえ名という呪で縛ることができる」と言っています。

これは現在の「呪い」のように悪い意味だけで用いているのではありません。

たとえば「先生」という呪を受けた人々は「先生というふるまい」を他から求められ、自らもそのように行動する、と言った具合です。

「母親」という呪を受けた人々、「父親」という呪を受けた人々も同様ですね。

 

考えてみると我々は様々な「呪」でがんじがらめになっているともいえるでしょう。

 

この「呪」は、勉強における「苦手意識」と密接に関連していると私は思っています。

例えば、ある生徒が、先生から「君は数学が苦手だから、理系は向いていないよ」「数学のセンスがない」と言われたとしましょう。

 

すると、この言葉の「呪」により、その生徒は「数学が苦手な生徒としてのふるまい」を開始し、簡単な問題ですら難しく考える、または深く考えようとしない、といった悪循環を産み出します。

 

苦手意識というのは、自分自身で産み出したものはむしろ少なく、きっかけは周囲が作り出す場合が多いと思います。

 

分かりやすい例は「食べ物の好き嫌い」です。

小さな頃に、母親が他の母親との会話で「この子はピーマンが苦手なのよね」と本人の前で言ったとします。

子供は「ちょっとにがいな」くらいの意識であったとしても、「私はピーマンが食べられない」、と「呪」を自身にかけ、にが味もおいしさの一要素だと気づく力を失ってしまうでしょう。

 

あるいは、学校の先生の悪口を、親が子供本人の前で言ったとします。

すると子供は、その先生の授業から学びづらくなってしまいますね。

 

※私自身も含め、人間には良いところも、悪いところもあります。

悪い部分を指摘された時、反省し改めていく気持ちを忘れないことが何より大切です。

 

我々大人は、無限の可能性を持つ子供たちに、できるかぎり良い「呪(しゅ)」の言葉を投げかけるべきです。

良い点を見つけ、ほめること、厳しく叱咤激励することはあっても、「~ができない」といった「呪い(のろい)」の言葉はさけるべきですね。

 

2005/9

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