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育英センター 田中の教育ブログ「誰のためでもなく自分のために」

富山本部校別館(中学部)

年齢を重ねるほどに、なぜか小説よりも、詩や絵本を手に取ることが増えました。

 

私の好きな詩人の一人に、銀色夏生さんという方がいます。

 

もともとはある曲の歌詞から好きになったのですが。

 

 

ひとつ残らず君を 悲しませないものを 君の世界の全てにすればいい

 

 

「そして僕は途方に暮れる」という、ずいぶん昔の曲のサビの部分です。

本来は失恋の歌なのでしょうが、良い詩はその時の気持ちや状況で、様々な受け取り方ができるものです。

 

親が、子に完璧を求めすぎたとき

そしてその期待に子供が応えられないとき

子供は親に対し、この詩のような気分になるのかもしれません。

 

ひとつ残らず君を 悲しませないものを 君の世界の全てにすればいい

 

そして実は、親への愛が強い子ほど、途方に暮れるのかもしれません。

 

自分が愛するものは、同時に自分を悲しませるものでもあります。

愛してもいないものがどうなろうと、さして感情は動かないはずです。

 

令和に入り、銀色夏生さんが久しぶりに見えない手紙をくれました。

 

一番心に刺さった詩は「少しずつ」というタイトルでした。

 

少しずつ無理を

していたのかもしれない

 

たった2行の詩です。

 

みんな少しずつ、少しずつ無理をしてきます。

そしてそのうち、自分でも大きさの分からないコップから悲鳴が溢れ出すのでしょう。

 

 

 

誰から見ても「良い子」で、親も先生も困らせたことがない子が

いきなり凧の糸が切れたように、気力を失ってしまうケースがあります。

 

 

そういう子、そして保護者に、吉野弘さんの詩「奈々子に」の一部をご紹介します。

 

唐突だが
奈々子
お父さんは お前に
多くを期待しないだろう
ひとが
ほかからの期待に応えようとして
どんなに
自分を駄目にしてしまうか
お父さんは
はっきり
知ってしまったから

 

 

勉強は誰のためでもなく、自分のためにするものです。

分からないことが分かるようになると楽しい、その原点に戻ることが必要なのです。

 

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