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育英センター 田中の教育ブログ「高専について その2」

富山本部校別館(中学部)

前回の続きとなります。

今回は高専の特徴につきまして簡潔にお伝えしていきます。

 

①5年制教育

高専は5年間の一貫教育が最大の特徴ですね。

早い段階から一般教育の中に専門教育が混じってくるため、就職を選ぶ場合も、大学編入後の研究室やゼミにおいても、早くから実践力を身につけた学生は強いでしょう。

また、実技や実験に使う機械の類いも、国立ならでは、という最新の物が多く揃います。

 

なお、一般的な普通科への進学との違いについては、文理選択がない(進学する学科で文理は決まっている)という点を知っておくべきです。

※一般的な普通科は、高1の秋には文理の選択を迫られます。

例を挙げるなら、石川工業専門学校、福井工業専門学校は基本的に理系となります。

言い換えれば文理の選択が中学時となるので、自身の適性を十分把握して受験することが大切ですね。

 

商船学科は、偶数学年在籍時(2年・4年・6年)の3回に分けた、計1年の航海実習があるため、卒業まで5年6か月必要となります。

 

なお、部活動は、3学年までは一般の高校と同等の大会に出場できるほか、高専独自の大会(ロボコンが有名)もあります。

 

②越県での入学

高専の特色のある学科については特に、県境を越えて受験する層がいます。

また高専が存在しない県もありますので、越県は織り込み済み、各高専は寮を備えています。

 

以前、富山本部校で教えていた時、塾生が石川高専の建築学科に立て続けに入学したことがありました。

それも全て女子でした。テレビ番組の森泉さんの影響も多少はあるのでしょうか。

建築学科のある高専は全国で8校で、その中には前回の記事でご紹介した明石高専も含まれます。

 

また、富山高専には国際ビジネス学科という全国の国立高専でも3校しかない文系の学科、および全国で5校しかない商船学科がありますね。

こちらも石川県を初め、他県からの受験が多いと聞いております。必然的に倍率も高くなる傾向があります。

 

③進学と就職

高専は進学も就職もできるのが特徴です。

※進学と就職どちらを選ぶかの割合につきましては、各高専のHPで情報開示されています。

 

進学については、

・国立の大学が高専の編入枠を設けていること

・日程さえ重ならなければ複数の大学を受験できること

・一般の受験と異なり、教科が絞られるため、自分の得意科目で勝負できること

などの理由により、特に国公立大への入学に強みがありますね。

※なお、編入は当たり前ですが、いきなり大学3年生となります。

 

就職については、就職率ほぼ100%、ただし給与体系が短大卒と同じになる会社も多いことは知っておくべきです。

 

④入試の特徴

ご存じの通り、国立高専は全国一律のマークシート型の一般入試を行います。

よって入試日も統一されており、大学入学共通テストに近い印象ですね。

なお、今年度の一般入試日は2022/2/13(日)、と最近発表されました。

特に福井県の生徒は、私立入試(例年2月初旬)、県立入試(2/16、2/17)が同時期に一斉に行われることとなり大変ですね。

 

なお、テストの問題は全国同一なのですが、テストの運用については各高専に任されております。

例を挙げるならば、石川高専は一般入試科目に社会がありません。英数国理の4教科のみの受験です。

 

推薦入試につきまして、おおむね一学科40人の定員に対し、半数程度(17~20名)を推薦定員としているところが多いです。

推薦要件としましては、石川高専のように中学校内での成績が上位20%以内であること、としているところや

富山高専のように英数国理社の通知表合計20以上かつ実技も含めた9教科で32以上、としているところ、

理系教科に傾斜をかける等、各県の高専、あるいは学科によってさまざまです。

また、数学の適正検査を課す学科、英語での応答を求められる学科など、受験する学科の情報収集は必須ですね。

 

私の経験としまして、高専は第1志望から第3志望まで願書に記入できますので(注:選べる学科には制限があります)

9/18追記

第1志望~第3志望の記入に際し、一般入試には学科制限がありません。

推薦入試は第一志望に機械・電気・電子情報のどれかを選んだ場合に限り、第二志望、第三志望に機械・電気・電子情報の残りを書くことができます。

 

 

倍率が低いからといって安心は一切できない、という印象です。俗にいうスライド合格が発生するのです。

 

また、安易にチャンスが二倍になると考え、推薦を狙うのは危険である、とも言えます。

一般入試に向けた勉強の追い込みの時期に、推薦練習という負担がかかるためです。

「実力でも突破できる」くらいの心の余裕が推薦受験者には求められますね。

 

参考:令和3年度の推薦倍率

石川高専 機械1.44 電気1.59 電子情報3.76 環境都市1.47 建築2.72

富山高専 機械1.00 電気制御1.25 物質科学2.20 電子情報1.83 国際ビジネス3.17 商船1.40

 

参考:令和3年度の一般入試倍率

石川高専 機械1.63 電気1.21 電子情報3.92 環境都市1.12 建築2.48

富山高専 機械2.14 電気制御1.88 物質科学2.39 電子情報3.70 国際ビジネス3.38 商船2.14

 

先に述べたようにスライド合格がありますので、上記の倍率をそのまま受け取ってはいけません。

やはり時代なのか、アプリ、ソフトウェアに関連する電子情報の倍率が目を引きます。

また、特色のある学科の倍率も高いですね。

 

富山県においては、高専の受験を失敗した子が御三家に合格した例もよくありますし

石川県においては、同じく高専の受験を失敗した子が二水・桜丘に余裕で合格していく例もよくあります。

 

今回の記事はここまでですが、ここでは書ききれないことが多くあります。

 

結論ですが、高専を志望する生徒は、情報の収集が県立高校受験以上に大切であると言えますね。

高専を志望される方は、育英センター各校舎にて、是非一度ご相談なさられることをお勧めいたします。

 

なお、新学習指導要領に対応する次年度の入試のサンプル問題が国立高専機構より発表されていますので、是非ご覧ください。

現在は理数のみですが、他の教科もアップロードする予定、とのことです。

https://www.kosen-k.go.jp/news/detail.html?itemid=8313&dispmid=1240&TabModule1107=0

問題を見た田中の感想ですが、従来と大きくは変わっていない、という印象です。

マークシート式の問題で表現力を問うには自ずと限界が生じますよね。

そこで出てくるのが生徒同士の会話に先生が混じってアドバイスを行う、という出題形式です。

生徒の発言内容の部分に空欄が設けられ、そこに当てはまるものを選ぶ、というものです。

 

実は国立高専だけに限った話ではなく、中学受験も含め、さまざまな入試に会話形式の出題が増えてきているのです。

数学や理科の問題であるにもかかわらず、文章量が多くなり、かなりの読解力が要求されます。

文系・理系の垣根が崩れていく流れがはっきりと見て取れますね。

 

そして、高専受験者は、各高専が実施するイベントに積極的に参加することが何よりも大切です。

推薦入試の面接で、「何か高専が主催するイベントに参加されたことはありますか?」と聞かれることもありますしね。

https://nws.stage.ac/kosen-fes2021/

↑ 高専フェスのリンクです。6/6(日)が東京開催、7/11(日)が大阪開催の予定です。

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