育英センター 田中の教育ブログ「北陸3県 国立大附属の学校 その2」
富山本部校別館(中学部)
前回の記事の続き、今回は小学校編となります。
※2021/9月現在のデータとなります。ご了承ください。なお、この記事は簡単なまとめです。受験をお考えの方は、是非育英センターまでご相談ください。
富山大学人間発達科学部附属小学校(1877年設立)
・定員 各学年70名(各学年35名×2クラス、男女割合1:1)
・附属幼稚園からの連絡進学が40名近くいますので、小学生からの募集は30名弱となります。
・入学選考は男子と女子に分かれての発育検査です。毎年12月初旬に実施されます。
・富山大学教育学部再編成により、次年度から名称変更となりそうです。
富大附属小は、1886年~1888年に滝廉太郎が在籍していたことでも有名です。
誰もが口ずさむ童謡の「鳩ぽっぽ」や「お正月」には、富山で過ごした小学生時代の影響もあるのでしょうか。
また現在の校歌の作詞者は近代文学研究者の大石修平氏(故人、氷見出身)
そして作曲者は、こちらも誰もが口ずさんだことのある童謡「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」「カタツムリ」「おつかいありさん」で有名な團伊玖磨氏(故人、作曲家)です。
なお、團伊玖磨氏は富大附属小以外にも、富山県内では、大沢野小、奥田小、五福小(以上富山市)、北加積小(滑川市)、釜ヶ淵小(立山町)、大門小(射水市)の校歌を作曲しておられます。
富大附属小に以前通っていた生徒たちは、小4のグリーンスクール(宿泊学習)、小5の臨海学校、小6の修学旅行の思い出を話してくれます。
さまざまな集団での活動を通し、子供たちは仲間を思いやる心、協働の大切さを学び、固い絆で結ばれていくのでしょう。
ある男の子は、「そう言えば、昔、学校に乃木坂がきた」と思い出を語ってくれました。
厚生労働省主催の「知って、肝炎プロジェクト」のことですね。
また、車いすバスケやボッチャの体験等も以前実施されており、現在行われているパラリンピックへの関心もさぞ高まったことと思います。
金沢大学人間社会学域学校教育学類附属小学校(1874年設立)
・定員 小1、小2 105名(3クラス) 小3~小6 117名(小3から複式学級12名を募集)
・令和3年の全校生徒数は646名です。金沢という土地柄、転入や転出がそれなりにあります。
・クラスの男女比はおおむね均等です。
・令和4年度より、小1の定員を90名(附属幼稚園からの連絡進学含む)にする、と発表がありました。
・複式学級(小3と小4を同時教育、計24名1クラス)があります。この子たちは、小5で一般のクラスに編入します。
・入試は第1次選考と第2次選考に分かれ、第1次選考は男子と女子に分かれての発育検査(知的能力および運動能力)です。
毎年12月初旬に実施されます。第1次選考の合格発表日(第1次選考の翌日)に第2次選考、すなわち抽選です。
・複式学級の選考については、学習状況や運動能力の検査,及び入学志願者調査書等によって行い,これらを総合判定し合格者を決定します。
国立大学の附属学校は、地域の教育に寄与する先進的な取り組みも求められるわけですが、金大附属小は、将来のさらなる少子化をにらんだ複式学級が特徴的ですね。
歴史を振り返ると、金大附属小は、第33代内閣総理大臣 林銑十郎氏の出身校でもあります。
この春まで田中は金沢にいましたが、金大附属小の5年生児童が、卒業生を送る会をやらせてほしいと直訴し、実行されたニュースには感動しました。
自分たちで感染対策まで提案、企画書を作成して実施を訴えたわけです。
金沢本部校の金大附属小の塾生に様子を聞きましたが、やはり大変な感動があったようです。
福井大学教育学部附属義務教育学校(前期課程 1885年設立)
・2017年に福井県初の義務教育学校として小中を統合、小1~小6を前期課程、中1~中3を後期課程とした9年一貫教育が特徴です。
・前期課程(小1~小6)定員:各70名 35名×2クラス
・今年度の入学1次選考日は11/13(土)です。選考は、知的能力及び運動能力等に関する検査・観察を行い、総合的に判断します。
1次選考の合格発表日(おおむね1週間後)に2次選考(抽選)の有無も発表されます。
なお、附属幼稚園(年長50名)からの進学希望者については、行動観察が課せられますが、概ねそのまま進学するようです。
・上級生の学年では男女バランスが均等ではなく、中には女子の方が男子より10名近く多い学年があります。
ただし、義務教育学校となってからの募集要項に男女ほぼ同数、との記載があるとおり、低学年はおおむね男女比率が1:1です。
・1年生から外国語活動(英語)に注力しています。
・5年生(小5)~8年生(中2)で前期課程と後期課程の教員の乗り入れがあります。
福大附属のみならず、全国の義務教育学校での解決すべき課題は多々あります。
例として挙げるなら、前期課程教員(旧小学校教員)による後期課程の生徒(旧中学1年生~3年生)への部活動指導、あるいは前期課程教員と後期課程教員の「文化」の摩擦などです。
学級担任として、一部の教科を除く、ほとんどの教科を指導することで、生徒と密接な関係を保つ小学生への指導と、教科ごとに担任が変わる中学生への指導では、もともと大きな「文化」の違いがあったわけです。
ただでさえ教員の激務が問題視され、働き方改革が叫ばれる中ですが、上記のバリアを取り払うために必要なのはやはりコミュニケーションしかありません。
しかし現場では、各種研修会などの会議の時間をとるのにも、四苦八苦していらっしゃるのではないでしょうか。
ただし、新しい教育のあり方を、皆で協力して模索する中で産まれるものは、(難産でしょうが)非常に大きいのではないでしょうか。
我々育英センターも、幼児部、小学部、中学部、高校部、予備校部とセクションが分かれていますが、それぞれの部に「文化」があり、相互の教員乗り入れをすることで新鮮な発見がありますね。
さて、次は最後、その3に続きます。
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