育英センター 田中の教育ブログ「英語の教科書に取り残された中学生 その3」
富山本部校別館(中学部)
さて、間が空きましたが前回の記事の続きです。
前回は小学英語の学習と中学英語の学習の「段差」について触れましたね。
先般、中学3年生の英語の授業で、簡単な道案内の文を生徒に書かせてみたのですが…
悲しいことに書けない生徒が多数おり、「これはまずい」と時間をかけて丁寧に指導しました。
中には、rightとleftすら怪しい生徒もちらほらいる始末です。
現在、多くの中学生が、辞書ではなく、教科書の巻末についている資料を辞書代わりにしています。
試しに、rightを中学生の教科書の巻末資料で調べますと…
right
形容詞 ①正しい、正確な ②健康な、調子がいい
名詞 権利
副詞 ちょうど、すぐに
…あれ?「右へ」 の意味が載っていない?
実は巻末資料には、小学校で習う単語というものが別に載っていまして、そこでは「右へ」という意味だけが載っています。
単語の意味が分からなくて巻末資料のページを開いた生徒にしてみれば、小学校で習った単語か、中学校で習った単語かなど、どうでもいいわけです。
一覧性を捨てるなど、生徒の立場からすれば非常に使いにくいにもかかわらず、あえて分けて記載したのは、「大人の都合」なのでしょうかね。
国語の教科書の巻末資料、常用漢字表のように、小学校既習漢字と中学校で新たに習う漢字を混ぜて記載すべきだと強く感じました。
さて、道案内の話に戻りますが、小学5年生の英語で
Go straight for two blocks.
Turn right.
You can see it on your left.
などの表現を習うため、改定後の中学校の英語の教科書には、上記の英文を用いるようなシンプルな道案内は載っていません。
※中学校では、建物内の案内や、電車の乗り換え等の道案内を習います。
私が一番怖れるのは、中学校内容の難しくなった英語にばかり気を取られて、小学校で習った内容をおろそかにすることです。
高校入試で、小学校既習の内容を出題された時、今の中学生は果たして対応できるのか。
教科書の改訂、コロナ禍による休校、リモート授業の増加により、「習った」ことにされている内容はないか。
基本を徹底する時間を意識してとることが、英語では特に求められそうです。
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