母校の思い出⑦~完・天下の早稲田大学~大学なんてどこでもいい、が…篇
富山本部校高校部
さて、母校の思い出連載は今回でラストと致しましょう。
ときどき学生に「志望校を決めるのって、実は難しくない?」と聞きますと、みな案外頷きます。
大学をどう決めるか?何で決めるか?ここでは「決定」というより「決断」が求められることでしょう。
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早稲田祭での大盛況行事に「早稲田王決定戦」があります。
おおざっぱに申しますと、候補者数名で、ゲテモノ食いなどの速さを競うものであります。
(何をやるのか詳細を書くのは憚られます為、ご関心御座いましたらYouTube等でご検索なされてみてください)
早稲田王決定戦が行われる時間は、大隈講堂前ステージからキャンパスに向って学生がギュウギュウになって見物します。
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ある年に早稲田王に輝いた人は、2浪や引きこもりを経て早稲田に入った方でした。
その方は大観衆の前での優勝者演説で、自分の人生を回顧しながら、「俺は大学に行きてえんじゃねえ!早稲田に行きてえんだ!」と叫びました。
それまで早稲田になど1人も受かったことのない高校から早稲田を目指し、1浪目で落ちて2浪するか迷ったとき、大隈銅像の前に立って出た答えだそうです。
私も高校生のときにその映像を見て、何やらハッとした覚えがあります。
そのとき私は志望校に迷っていたのでした。
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自分の学力で行けそうな大学、将来の仕事に役立ちそうな選択……そういった都合などに振り回されず、眼前には「早稲田」しか見えない。どんな状況にあっても、もう「早稲田」のことしか考えられない。これはもはや、「愛」とさえ言って構わないでしょう。
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「早稲田ってかっこいいな、入れたらいいな」とは思っていたものの、到底早稲田など目指せる成績ではない。ただし「そこそこ」の大学には行きたい。しかしそれは「そこそこ」であるならどこであってもいい。が、それでは勉強に身が入らない。
そんな状態のまま、ろくに勉強もせず高校生活を終えたのでありました。
そんなとき、その早稲田王の映像を見たこともキッカケの1つとなり、早稲田を目指す「決断」を致したのであります。
これは、点数や偏差値といった成績から導かれる「決定」ではなく、あくまで早稲田への愛による「決断」なのであります。
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「愛情」から「決断」が生まれ、「決断」によって「責任」と「覚悟」とを持って学び続ける。
その「決断」のあと、あれだけ怠惰だった私もいくらか勤勉に変わりました。やはり、勉強は愛情でやるもんだ。そういう確信に至ります。
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しかし、その根本にある「愛情」を持てなかったら?心配無用。
純粋に、自然と好きになるものです。それは私たちが人間としてあるからでしょう。
誰もが全宇宙史にたった一人、たった一回の「私」として、自分だけの「歴史」を背負い生きてきて、それゆえみなそれぞれ別々の人格を持っている。
悲痛な青春を過ごしたがゆえに早稲田を愛したあの王のように、ずっと居場所の無かった「私」だから早稲田を愛したように、あなたにもあなたの具体的な人生背景から立ち上がる何かがあるはずだ。
あなたという人間だから愛せる大学があるはずだ。
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知名度やら就職率やら何やら、そんなものをいくら気にしたって愛が霞んでしまうだけだ。もっと切実で純粋な動機で学んだ方が、きっと幸せになれると思う。約束はしてあげられないけれど、少なくともそう信じることはやめたくない。
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