密輸?
富山本部校高校部
20代の一時期、東京でフリーターのような生活をしていた。
夏の間身体が空くタイミングがあって、同様の生活をしている友人と二人、韓国に宿泊先も旅程も決めずに乗り込んだ。
結局釜山を中心に4、5日ほど滞在したと記憶している。
旅の詳細については、今回は割愛させていただく。話題は行き帰りの「帰り」である。
渡航手段は下関釜山間発着のフェリーだった。
当時特別個室以外の客は、広いスペースで、勝手気ままに雑魚寝で一晩を過ごす形だった。
僕らが日本人の若者と見てとるや、韓国のおばちゃん達が、ここで寝なさいとばかり、僕らの居場所を確保してくれた。あれこれと食べ物をくれたり、日本語で「息子が日本のこの大学に留学している」と小さなメモ帳の1ページを見せてくれたりと、床に就くまでいろいろな話をした。(メモには漢字の走り書きで「天理大学」と記してあった)
翌早朝、下関唐戸港に到着。
これでおばちゃん達ともお別れだと思った矢先、ウィスキー1瓶とタバコ1カートンが僕らそれぞれの手に渡された。そして、
「これをあなたたちのバッグに入れて、税関を通ってほしい」とお願いされた。
一定以上の酒やタバコは日本に持ち込めないルールらしい。そう。僕らはまんまと利用されたわけだ。税関の女性も、「こいつら頼まれたな」と感づいたような顔つきをしていたが、無事税関は通過することができた。
最後に「ブツ」を手渡し、おばちゃん達と笑顔でバイバイ。
まさか密輸に手を貸したのでは?と思いつつも、
僕らは、久しぶりの日本、光さす早朝の下関の町に向かった。
・・・夏の終わりが近づくと思い出す。
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