日本語は難しい言語なのか ①語彙編
富山本部校小学部
日本語という言語は非常に難儀なもので,私達,当の日本人ですら,その用法が本当に正しいのか怪しい場面が多々あります。
英語を構成するアルファベットが26文字であるのに対し,日本語は平仮名(基本46字),片仮名(基本46字),漢字(常用漢字だけで約2000字,某漢和辞典には約50000字収録)と3種の文字を扱う特異な言語です。
例えば,英語における“I”,つまり一人称が日本語で何種類あるとされるかご存知でしょうか?
「わたし」「わたくし」「僕」「俺」「俺様」「自分」「儂」「あたし」「あたくし」「あたい」「わい」「我」「吾輩」「某」「麿」「小生」「吾」「当方」「当職」「拙者」「拙僧」「拙」「朕」…
( °Д°)…
(°Д°)…
(╯°Д°)╯︵ ┻━┻
いやまあ私も正確には存じ上げないのですが。えらい量であることは確かです。
また,雨を表す熟語も非常に多くあります。
・緑雨(翆雨・青葉雨)…新緑の時期に降る雨
・黒雨…空が黒くなるほどの大雨
・紅雨…赤い花が散る様子/花に降り注ぐ春の雨
・白雨…夕立
・甘雨(慈雨)…草木を育てる春の恵みの雨
・桜雨…桜の花が咲くころに降る雨
・涼雨…涼しさを感じられる夏の雨
・驟雨…にわか雨
・時雨…秋の末から冬の初めごろに、降ったりやんだりする小雨
・涙雨…ほんの少しだけ降る雨/悲しみの涙が変じて降る雨
・天涙…空に雲が見えないのに降る雨
( °Д°)…
(°Д°)…
(╯°Д°)╯︵ ┻━┻
いやまあ私も正確に何種あるかは存じ上げないのですが。えらい量であることは確かです。
この圧倒的な語彙の分量が,日本語と他言語との大きな差なのだろうと思います。
が,
では,私達もこれらを使いこなしているのかといえばそれは疑問で,私が普段使っている一人称は「わたし」「わたくし」「俺」の三種ですし,上記の雨の種類でこの記事を書く前に知っていたのは「時雨」くらいです。だいたい時雨も「呉の雪風,佐世保の時雨」と謳われた旧海軍の駆逐艦の一隻としての認識です。現在も海上自衛隊の艦船名は旧国名・山・河川・自然現象などから採られています(我ながらめっちゃ早口でしゃべってそう)。
やや脱線してしまいましたが,こうは考えられませんでしょうか?
「ネイティブの日本語話者も必要十分な語彙しか使っていないことは,新たに日本語を学ぼうとする人たちと同じである,とも言えるのではないか」
語彙の多さが日本語を学ぶにあたって苦手意識を生んでいることは確かだろうとは思いますが…
次回,「日本語は難しい言語なのか ②主語・述語・修飾語」編に続きます。
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