和文英訳の難しさ
富山本部校高校部
「文学は、そこから情報を得る対象ではない。」を英訳しろと言われたら
どう書きますか。
「対象」ときたらやっぱりノータイムで”object”あたりを使いたくなりますが
こいつはあんまりよくありません。
日本語の意味をよくよく考えてみると、
「文学は、そこから情報を得るためのものではない。」
「我々は文学を情報の源としてみなすべきではない。」
あたりがもう少しくだけた日本語になると思います。
となると、「対象」という日本語は、少しひねって
“something”や”source”にするほうが自然な英語に仕上がるわけです。
“object”という単語の意味は、
「目的」「的」や、「(関心や意識などの)中心、焦点」、
「(動作・感情などの)対象(となる人・物)」であり、
「こっちからあっちへ」というイメージがあります。
今回のような「情報を得る」例だと、「あっちからこっちへ」という方向性になり
噛み合わずしっくりこないのです。
端的に言うと、”get information from”と”object”という単語のコロケーションが
良くないんですね。
「この日本語はこの英単語で訳そう」と決めていても、
文脈次第で使えたり使えなかったりします。
可能であれば、その単語が持つコアイメージや、英英辞典での定義を
チェックしておきたいものです。
まあ限られた試験時間の中では失点覚悟でobjectで駆け抜ける方が得策かと思われますが、
練習の時くらいは脳みそを使っておきたいですね。
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