サンタクロース
富山本部校高校部
みなさん、クリスマスが今年もやってきます。
クリスマスはキリストの降誕祭、つまりキリストの誕生を記念する日です。ローマ帝国でキリスト教が公認された後、それまで太陽崇拝のお祝いをしていた日をキリストの降誕祭としたそうです(それが現在の12月25日)。
そんなクリスマスといえば、サンタクロース。
クリスマスにみんなに贈り物を届けに来てくれる、とっても素敵な存在です。
でも、そんなサンタクロースが、火あぶりにされたことがあるのはご存知ですか。
それは1951年フランス・ディジョンという都市での出来事。
その都市のカトリックの聖職者によって、その教区の子どもたちの前で、
サンタクロース(はりぼて)が燃やされたそうです。
なぜこんなことが行われたのか。それはクリスマスとサンタクロースの関係に理由があります。
サンタクロースのモチーフになったのは、3~4世紀にキリスト教の司教だった聖ニコラウスという人物です。この人の逸話がヨーロッパに広がり、子どもたちにプレゼントを贈るという風習につながっています。ただ、それを行っていたのは12月6日(ニコラウスの祝日)で、キリストの降誕祭の日ではないんです。
また、サンタクロースの服装ですが、真っ赤な服装はむしろ悪魔のイメージとして知られていたようで、ニコラウスの日には、司教の服装をしたニコラウス役の人物と赤い服装をした悪魔役の人物が各家を回り、いい子にはニコラウス役からプレゼントが、悪い子には悪魔役が地獄に連れて行くぞと脅したり、ムチをうったりしていたそうです。
そんなサンタクロースの文化が、プロテスタント中心のアメリカに流入し、カトリックの司教の服装がなくなり、赤い服のサンタクロースが贈り物を持ってきてくれるという話になり、1930年代にコカ・コーラ社が宣伝のために使用したことで、一気に現在の形のサンタクロースになっていったと考えられています。
つまり、クリスマスそのものと現在のサンタクロースは元々関係がなく、後世いろんな人たちに受け継がれていくなかで今の形へと変化していったのです。
カトリック側からすると、プロテスタント中心のアメリカ式のサンタクロースに、伝統的な降誕祭を「奪われてしまった」と考えても不思議ではないですよね。このような理由から、火あぶりにされてしまったようです。
私たちが当たり前に思っている風習の中には、面白い話や疑問に感じることがたくさんあります。当たり前のものを当たり前に思わず、一旦俯瞰してみることによって、そこに長い歴史があり、そこにたくさんの人たちの思いがあり、現在につながっていることを実感できます。
皆さんも機会があったら、身近な文化に目を向けて調べてみると面白いかもしれませんよ。
でも明日は、それは一旦置いておいて、おいしい料理やケーキを食べて、大切な人とゆっくり過ごしてくださいね(勉強も忘れないように)。
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