鬼有る夏
富山本部校高校部
ホラーや怪談がもてはやされる夏である。
「鬼」は漢文では、「き」と読んで、「亡霊・幽霊」を意味する。
(日本の昔話に出てくる、赤鬼、青鬼のイメージではない。)
いたずら好きの書生が、普段から「無鬼論(むきろん)」(=亡霊の存在を否定する)を唱えている塾の先生の鼻を明かしてやろうと、先生の家の窓に土を投げつけたり、ウーウーと唸りながら、戸をたたいたり、まさに「鬼」を装って、先生をおびえさせ、結果、先生に「鬼有り」と思わせたという話がある。
ところが、書生の仕業であることが判明して後も、先生は毎晩のように怪異現象に悩まされ、
とうとう町を出て行った。
書生のでっちあげた怪異により、すっかり気力が衰えた先生の心の隙につけ込むように、 本当の?「鬼」が現れたのだという話。
何かと精神的に不安定だった中学生の頃、私も確かに深夜金縛りにあったり、寝ている足元に何者かが立っているように思えたりした記憶がある。
以来、怪異は自身の精神状態が生み出すものと思ってはいるが、
くそ暑いこの夏の夜くらい、この部屋に「鬼有り」と想像してみることで
身がぶるぶる震えるような、涼やかな思いをするのも、また一興ではないかとも思う。
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