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育英センター 田中の教育ブログ「東大理Ⅲ」

富山本部校別館(中学部)

本日は、日本の大学では最難関、東京大学の理Ⅲについてお話しします。

※詳しい方にとってみれば当たり前の話が多いですが、ご了承ください。

 

理Ⅲは、正式名称を、『東京大学理科三類』と言います。

募集定員は、たったの97名。東大の全体の定員が約3,000名ですので非常に定員が少ないのがお分かりいただけると思います。

 

他の学類とは合格最低点も大きく異なります。

550点満点(共テ+2次)で、理Ⅰが326.3点、理Ⅱが316.1点、理Ⅲは383.8点が合格最低点の平均です(直近10年)。

上記は合格最低点ですが、合格平均点ともなれば、理Ⅲ受験者は400点オーバー

極端な話、理Ⅲ受験者は、2次試験の各教科、大問を1つずつ解かなくても他の学類に合格できるレベルです。

おそろしくハイレベルであることがお分かり頂けると思います。

 

大学によっては一般教養と呼ぶこともある最初の2年間を、東大では前期課程と呼びます。

東大は、まず入学した全員が教養学部に所属するシステムなので、理Ⅲのことを医学部と呼ぶのは、厳密には正しくないそうです。

しかし、理Ⅲのみが入試時に面接を課せられ医師となる自覚を問われることから考えても、理Ⅲ=医学部の認識で間違ってはいません。

なお、理Ⅲの学類の特徴としては、生物学、化学、物理学を中心にして生命科学・物質科学・数理科学の基礎を学び、人間についての探究心を養い、生命と社会の関わりについても理解を深める、ことが明記されています。

 

前期課程(教養学部)の2年間を経て、後期課程(専門課程)の2年間がスタートするわけですが…

教養学部1年半の成績と、本人の志望によって進学振り分け(通称:進振り)が行われることになります。

 

ここでやっと医学部への進学となるわけですが、医学部は、医学部医学科と医学部健康総合学科に分かれます。

※理Ⅲで合格した学生は、ほぼ医学部医学科へと進学します。

 

また、理Ⅰ、理Ⅱ、文系学類で入った学生も、医学部への進学の道があります。

※指定科類枠、全科類枠について述べると長くなるので、今回は割愛させていただきます。

ただし、やはり壁は厚いようで、医学部医学科への進学は指定科類枠のある理Ⅱが強いですね。

他の学類からは、医学部健康総合科学科への進学が多いようです。

http://www.c.u-tokyo.ac.jp/zenki/news/kyoumu/2021_sentaku_teisu_kakutei_20200821.pdf

※上記は昨年の第一段階進学定数発表時のものです。ここで内定しなかった生徒は第二段階、第三段階へと進みます。

 

全国でたった100名のみが入学を許される東大理Ⅲですが、私の感覚では、北陸の高校がもっと理Ⅲ受験者を増やせば、合格者も増えると思っています。

というのも、センター試験(現大学入学共通テスト)において850点を超え、2次の力が十分あったとしても、金大医学部を受験するケースが多いからです。

将来的に地元で医師になることを考えた場合、親からしても都会へ出すことがリスクと考えるケースもあるのでしょうか。

 

また私の感覚で、これまで東大理Ⅲに合格した生徒たちの特徴を挙げるとすれば…

以下、2019/4月の記事の引用です。

 

長い長い受験シーズンが終わり、今年も新学期のスタートです。

さて、育英センターグループの実績ですが、なんと今年は東大理Ⅲ3名合格という快挙をなしとげました。

片山学園高校では昨年の東大理Ⅲ2名合格に続き、今年も東大理Ⅲと京大医学部のダブル合格を達成しました。

 

ささやかながら、東大理Ⅲに合格した生徒たちに携わらせていただきましたが、彼らには共通した特徴があると思います。

①既習内容であっても授業に集中している

理Ⅲを受験できる能力があるなら、分かる、解けるは当たり前であり、彼らはその先を見据えています。

既習事項であっても、さらなる理解、知識の深化に対して非常に貪欲なんですね。

瞬間的に「わかっている内容だ」と判断し、授業を聞かなくなってしまう生徒は、表面的な理解に留まってしまう危険性があります。

 

②ミスに対する執着心

点数が取れなかったテストを前に、生徒と分析する機会を持ちましたが、「悔しい」という感情を超え、理解を深めるチャンスと捉えているようです。

間違えた問題について、全て納得がいくまで突き詰める姿勢を持っています。

※なお、理Ⅲ合格者のセンター試験の得点率は95%を超えますが、失点の半分以上を国語が占めるという共通点も興味深いです。

 

③切磋琢磨する仲間(ライバル)がいる

これこそが集団授業の強みですね。勉強する雰囲気がない集団の中では、努力することにもカロリーがいります。

努力する集団の中では、勉強することは歯磨きをすること同様に「ごく当たり前のこと」となります。

また、共に学力を高めあう中で、目標も次第に高まっていきます。

夢を語り合うこと、価値観の違いを知ることも、精神的な成長に寄与します。

結果がどう転んだとしても、入試は人間を育ててくれます。

自分はどういう道に進みたいのか、将来どのような職業につきたいのか。

真剣に、一度きりの人生について考える機会を与えてくれます。

 

子供たちが入試に立ち向かっていく中で、精神的に大きく成長していく様を間近で見られるのが我々の職業の醍醐味です。

 

引用ここまで

 

今年も塾生から理Ⅲの現役合格者が出ましたが、上記に付け加えるとすれば、理Ⅲ合格者は、やはり早い段階で先の内容を学習している、という特徴が挙げられます。

中学段階で数検の準一級(大学数学)に到達していた生徒、生物オリンピックや化学オリンピックで日本代表になった生徒…

 

やはり、自分の好きな教科については特に、リミッターを外してとことん『とがった』生徒が夢をつかむようです。

しかし、この傾向は東大理Ⅲのみに限らず、あらゆる難関大に合格するためには必要になってくるのでしょう。

 

優等生とはある意味、『苦手教科が無い』とも言えます。

これまでの学校の指導においても、とびぬけた才能をほめる以上に、穴の開いた弱点の教科を埋めることに努力を向けさせる傾向がありました。

しかし、どの教科もまんべんなくそこそこ出来るが、どの教科も飛びぬけてはいない、という子は2次試験に弱い、という傾向があります。

 

これからは、どの高校も、『とがった子が欲しい』という傾向が増していくと考えられますね。

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