育英センター 田中の教育ブログ『高校の推薦入試あれこれ 次年度福井高専/2013富山の御三家の推薦廃止』
富山本部校別館(中学部)
福井高専の入試に大きな動きがあるようです。またしても激震です。
推薦で全体の7割の募集をしてしまう、という思い切った発表がされました。
全国的に国立高専の一般入試日程が早まったことは既報ですね。
繰り返しますと、一般入試日は、令和4年2月13日(日)となり、例年より1週早まっています。
また、新学習指導要領に対応した入試問題のサンプルに英語、国語、社会が追加されていますので、富山高専、石川高専志望の方も是非ご覧ください。
https://www.kosen-k.go.jp/news/detail.html?itemid=8313&dispmid=1240&TabModule1107=0
サンプルを見た感想ですが、以前書いた記事での予想から外れていません。
英語
英文を読んだ生徒の感想として正しいものを選ぶ形式→マークシートで表現力を問うための出題です。
英文を読み、バスの運賃表を完成させる形式→簡単な数学との融合問題です。
国語
国語においても、生徒の会話形式の出題がサンプルに載ってきました。
石川県の公立入試の古文では、必ず生徒の会話が出てきますが、あのイメージです。
社会
一目見て分かるとおりグラフだらけ、すなわち図表の量が増加していますね。
また、単なる暗記で対応するのが難しい、思考力・判断力を問う出題が明らかに増加しています。
さて、ここからは福井高専の推薦入試の変化についてです。
各学科、従来4割程度(各学科15名程度、多くとも19名の合格)だった推薦入試の定員を、全体の7割にあたる28名へと引き上げました。
https://www.fukui-nct.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2021/06/0689b9e009cc50e5626a139bafa0f22c.pdf
背景としましては、やはり福井県立入試の日程が2月中旬に早まったことと無関係ではないでしょうね。
福井高専の推薦入試の日程は、願書締め切りが令和3年12月23日(木)と年内に移行(例年1月半ば)、1月中に合格者は進学の確約書を提出しなければいけません。
同時に推薦要件を従来より緩和していますので、早い段階で生徒を確保したい、ということなのでしょう。
今年の推薦倍率には要注目ですね。
かつて富山県の御三家では推薦入試がありました。
探究科学科(旧理数科)のみに、20名の推薦枠があったのです。
しかしそれは2013年をもって廃止されています。それも発表が10月になってからと遅く、推薦を狙っていた生徒達が大きく動揺していたことを覚えています。
廃止された理由はいろいろあるとは思いますが、【通知表が良いこと】と、【探究科学科のハードな学習についていけること】が必ずしもイコールではなかった、ということでしょう。
基本的に通知表が素晴らしく良い子は、どの教科も手を抜かず真面目です。
しかし、前回の記事でも書きましたが、苦手教科はないが、逆に得意教科もない(どの教科も突き抜けてはいない)という子は特に、探究科学科で苦しむケースが多かったのでしょう。
模擬試験や実力テストにおいては、80%は苦手教科をつぶせば取れますが、90%以上取るとなれば、得意教科が必須です。
40点満点のテストで言えば、『この教科だけは、どんな問題が出ても38点を下回らない』という自分の中でのエース教科です。
事実、富山中部高校の探究科学科のボーダーは、だいたい175点前後にくることが多いですね。
各教科まんべんなく35点平均とっていても受からない、あるいは受かってもギリギリだ、ということです。
厳しい一般入試の倍率をくぐりぬけた経験のほうをより重視したことも、探究科学科の推薦入試廃止につながった要因の一つではないでしょうか。
私見ですが、もし、探究科学科等に推薦入試が復活するとなれば、『全国規模の公的なコンテスト等での入賞経験』などが要件に上がるかもしれませんね。
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