育英センター 田中の教育ブログ「イグノーベル賞 その1」
富山本部校別館(中学部)
今年度より中学生の教科書が改訂されましたが、中3英語の教科書、サンシャイン(開隆堂)では、イグノーベル賞(The Ig Nobel Prize)についての英文が掲載されています。
イグノーベル賞は、1991年にノーベル賞のパロディとして始まりました。
「イグノーベル (Ig Nobel ])」についている「Ig」とは、否定を表す接頭語で、日本語で言えば「不・非・未・無」のようなものです。
さらに、英語には「イグノーブル( ignoble)」という形容詞があり、そちらにもかかっています。
nobleが「高潔な、気高い、称賛に値する」という意味ですので、その反対の意味と捉えればよいですね。
イグノーベル賞の授賞式は、ハーバード大学で行われ、本物のノーベル賞受賞者も多数参加します。
ところが、パロディですので、式では壮大な笑いの仕掛けがあります。
以下、イグノーベル賞授賞式についての、ウィキペディアからの引用ですが、アンサイクロペディアでもないのに大笑いできます。
ウィキペディアで笑える、というところが凄いと思います。
・ノーベル賞では、式の初めにスウェーデン王室に敬意を払うのに対して、イグノーベル賞では、スウェーデン風ミートボールに敬意を払う。
・受賞者の旅費と滞在費は自己負担で、授賞式の講演では、聴衆から笑いをとることが要求される。
・観客もおとなしく聴いているだけでなく、授賞式の初めに全員が紙飛行機を作り、投げ続けるのが慣わし。
・会場の掃除のためのモップ係は、ハーバード大学教授(ノーベル物理学賞受賞者)のロイ・グラウバーが例年務めている。
・受賞者は一本の長いロープにつかまり、一列になってぞろぞろと壇上に登場する。これは引率されている幼稚園児のパロディである。
・1999年から60秒の制限時間が過ぎると、『ミス・スウィーティー・プー』と呼ばれる進行役の8歳の少女が登場し「もうやめて、私は退屈なの(英語: Please stop. I’m bored.)」と連呼する。
・この少女を贈り物で買収する事によって、講演を続けることが許される。
・ただし買収が効かず、贈り物だけ持ち去られてしまう事もある。
・賞状はコピー用紙にプリントされたものに、選考委員のサインがある。
・賞金は原則としてない。ただし受賞者に対し、10兆ジンバブエ・ドル(価値はゼロ)が授与された。
授賞式もすごいですが、受賞者の研究はもっと凄いですね。
そして、今年2021年度まで、日本人は15年連続で受賞者を出しています。
中3の英語教科書サンシャインでは、2004年、カラオケの発明で受賞した井上氏のお話と、2016年、「股のぞき効果」で受賞した東山教授についてのお話しが掲載されています。
井上氏は、「お互いの歌をじっと聞くというような、忍耐強さを鍛える全く新しい方法を編み出した」として、イグノーベル平和賞を受賞しました。
東山教授の研究は、京都の「天の橋立」での股のぞきが有名ですね。こちらはイグノーベル知覚賞を受賞しました。
教科書に載っている以外にも、日本人の研究として「ハトにピカソの絵とモネの絵を区別させる」「ワニにヘリウムガスを吸わせる」「話の長い人のスピーチを妨害する」など聞いただけで笑えるものがたくさんあります。
個人的に、日本人が受賞したイグノーベル賞で好きなものは、金沢の兼六園で発見された「ハトに嫌われた銅像の化学的考察」です。
兼六園内にある日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の銅像には、なぜかハトが寄り付きませんでした。
広瀬教授(金沢大学名誉教授)は銅像を調べ、ヒ素の含有量が関係していることをつきとめました。
そして富山県の企業と共同研究し、カラス除けの合金なども開発されたようですね。
広瀬先生は他にも優れた研究成果を残されていますが、コーヒー博士としても著名です。
興味のある方は是非調べてみてくださいね。
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