富山育英センター

無料の体験授業・学習相談のお申込み・資料請求は
お電話でも受け付けています。

076-441-8006

受付時間 月〜土 9:00〜21:30

育英センター 田中の教育ブログ「言葉の乱れと進化」

富山本部校別館(中学部)

職業柄、長年若い生徒たちと会話をしている訳ですが、時に生徒たちの使っている言葉が分からないという事態が発生します。

 

近年だと「エモい」の意味が分からなくて、以前職場のうら若き女性職員に意味を尋ねたところ、

英語の『emotional』からきている造語だと教えてもらいました。

 

「nostalgia≒懐かしい、郷愁を覚える」「sentimental≒感傷的、切ない」「あはれ、をかし≒趣がある」など、いろいろな場面で使わているようですね。

確かに、エモい、は他の現代語で言い換えると長くなりそうですし、流行するのも頷けます。

 

その他、生徒たちが多用する言葉で、私が気になっているものに、形容詞の乱れがあります。

 

①形容詞の終止形語尾の「~い」を言わず、小さなツで言う言い方

例:「安い」→「やすっ」、「暑い」→「あつっ」、「臭い」→「クサッ」など

 

② 1から派生した、小さなツが適さない形容詞の変化

例:「可愛い」→「かわヨ」、「頭が良い」→「頭よ」、「恰好良い」→「かっこヨ」など

 

③形容詞の新語

例:「ナゾい」、「恥ずい」など

ここではあえて書きませんが、他人を罵倒するような形容詞の新語が多く、心が痛みます。

私も以前、生徒から形容詞の新語を言われたことがありますが、今でも忘れていませんよ。

 

④形容詞から転成した名詞の新型

例:「ヤバみ」、「うれしみ」、「つらみ」など

 

⑤ 4から発展した、動詞に「~み」を付けた新型

例:「分かりみが深い」など

 

これまでの長い日本語の歴史においても、新たな言葉が出ては消えていった訳ですが、①~⑤で紹介した語句が、この先もずっと残る言葉かどうかは分かりません。

 

私が若いころ流行した形容詞に「ナウい」という死語がありますが、消えるとは当時思っていませんでした。

「エモい」もそのうち「ナウい」同様、死語となっていく可能性がある訳です。

 

逆に、「イケメン」という言葉が流行しだした時、正直私はここまで残る言葉だとは思ってもいませんでした。

現在生み出された新語が、言葉によっては、100年先の辞書にも載っている可能性があるのです。

 

以下、余談です。

 

曲の歌詞なども、時代を色濃く反映しすぎたもの(ポケベルが~♪など)は廃れていきますが、長く歌い続けられる曲の歌詞は残っていきます。

 

「早春賦(春は名のみの風の寒さや~♪)」や「花(春のうららの隅田川~♪)」などの曲の歌詞は、今の生徒たちが歌うと「エモい歌詞」ということになるのでしょうか。

 

「少年時代」という曲の歌詞、夏が過ぎ風あざみ~♪という部分で、「風あざみ」という造語がありますが、これは季語の「花曇り」同様、感覚的・感傷的で私はエモいと思います。

 

富山本部校別館(中学部) 校舎ブログブログ新着