夜空に輝く星の話をしましょう。
本連載では、特に「一等星」に注目します。

一等星とは、一言でいえば「明るい星」。
具体的には、肉眼（望遠鏡などを使わず直接見ること）で見られる一番暗い星を六等星としたとき、その100倍明るい星を一等星といいます。一等星に分類される星は全天に21あり、そのうちおよそ15の星を日本から見ることができます。

ではここで問題。一等星は六等星の100倍明るいですが、五等星は六等星の何倍明るいでしょう？

100倍明るくなるまでを5回に分けているから……20倍！と思った方は要注意。

もし五等星が六等星の20倍、四等星が五等星の20倍明るかったら、四等星は六等星の20×20倍、つまり400倍明るいことになってしまいます！

正解は約2.5倍。
2.5×2.5×2.5×2.5×2.5=97.65625なので、正確には2.5倍よりちょっとだけ明るいということになります。

この連載の最後には、毎回一等星を個別に紹介していこうと思います。

第１回は「ベガ」。
こと座の一等星で、織姫星ともよばれ七夕の伝説にも登場します。わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブと共に「夏の大三角」の一つとしても知られるベガですが、実は夏の大三角の中でも最も明るい星です。

こと座は夏の星座として知られていますが、この記事の書かれた10月中旬もまだまだ西の空で見ることができます（夜20時頃）。星座早見片手に探してみてはいかがでしょうか？