「あきらめる」
富山本部校高校部
「あきらめる」とは、自らが望む将来への思いを「断念する」ことです。でも、「あきらめる」という言葉を遥か昔にさかのぼると、「あきらむ」という言葉になり、漢字をあてると「明らむ」となります。事情・道理・理由・原因などを「見きわめ明らかにする」「はっきりさせる」ことです。古い日本語では、「あきらめる」とは、物事を「明らかにする」ことだったのです。場合によっては、「心を明るく楽しくする」「心を晴らす」というニュアンスさえ持つことがあったようです。
それがどういう経緯で「断念する」というネガティブな意味になったのかについては、皆さんの想像にまかせるとして、なるほど、言われてみれば「断念する」以前に、「明らか」にしておかなければならないことがたくさんあるよね、という気分にもなります。
共通テスト本番までひと月足らず。受験生の皆さんそれぞれに受験生の数だけ悩みがあって、どうしようかなという迷いもあると思います。とりあえず今は、「断念する」ことはちょっとだけ先送りしておいて、自らが望む将来に向けて、自分がまだまだやっておかなければならないことは何なのかと、ぎりぎりまで「明らめ」てほしいなあと感じる今日この頃です。いろんなことを「断念してきた」大人の僕が言うのもなんですが……。
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