大学に入るのは決して目標ではなく手段です。
人生を豊かなものにできれば，大学に行かないという選択肢もあるでしょう。でも，一般的に言えば，いける最高の大学に行き，できるだけよいところに就職したほうがいいでしょう。

大学生活について書きましょう。いわゆるがっつり理系出身の私としては，文系の学生（と数学科！）が２限目の時間に登校して，３限目の終わりで帰っていく姿に愕然としたものです。こちらとしては，朝から難しい理論を教えられ，演習を行っているのに，楽しくしゃべりながらゆっくり登校してきます。そして，ときによっては星の出る時間まで続く実験中に，また，楽しくしゃべりながら下校していきます。

そうそう，理系の学生（数学科などごく少数は除く）の実験という鬼門についてお話ししましょう。高校の理科実験といえば，色が変わったり，ランプがついたりという面白いものという感想でしょうが，大学では違います。実験指導書を軽く読んで，与えられた実験に臨みます。機械を自分たちでセッティングして，データをとります。セッティングに１～２時間かかることもあります。データも数十個はとらなければなりません。終わったら，元通りにセッティングを解除します。

次にレポートの作成です。実験内容の説明書を詳しく読み，実験課題を行う意義を調べます。そのため，まだ習っていない分野の教科書を自習する羽目になることも多々あります。そ・し・て，魔のデータ処理です。私の時代には，関数電卓でひたすら３時間計算していましたが，友人の一人はコンピューターで特殊な処理式を入れたプログラムを４時間かけて作りました。単純な雑用みたいな作業でもやらざるを得ません。そして，考察です。理論をしっかり習ったわけではないので，不十分なことは知っています。でも，提出したら，やはり指摘されてこってり絞られます。そして，やり直すように指示されます。先週分，先々週分，そしてその前のレポートも再提出なので，どんどんたまっていきます。涙です…

私が高校生のとき，「理系で頑張れば，工場長になれる。文系で頑張れば，社長になれる。」と言っていた先生がいらっしゃいました。理系としてはちょっと悲しかったです。しかし，就職の時期になって，バブル崩壊なんてことがあり，大手企業は文系の採用が数年間ゼロという氷河期になって，理系でよかったと安心しました。なんて小人物な私。