夏休み
富山本部校高校部
小学生の頃。
夏休みは僕らにとって、毎日周囲の自然を相手にするのがまさに〝自然〟なことだった。
ある日田んぼ脇の用水で15センチはあろうかという大きなフナを捕まえた。
フナは田んぼに水を引き込む瓦材の土管の中に潜んでいることが多かった。
田んぼ側から管口に石を投げ込むと、びっくりしたフナが用水側に飛び出してくる。
友達が予め用水側にバケツをセッティングして待ち受けており、最後は〝とったど~〟という感じだ。
ところがこのフナ獲りは、そのまま平和には終わらなかった。
田んぼの向こうから、おじさんが「コラァ~」と叫びながら、怒りの形相で走ってきたからだ。「わっ、やばい!」と思うやいなや、僕は水とフナが入った重いバケツを片手で持ち、友達と一目散に逃げた。必死に走った。そして何とか逃げ切ることができた。
土管に石なんて投げ込んだら、田んぼに水を引き込む生命線とも言える所が壊れてしまうかもしれない。だから、農家のおじさんは怒っていたのだということを僕は後に知ることになる。
このフナはうちの金魚の水槽で、金魚ともに過ごすことになった。
僕が高校生になるくらいまで生きていたから、なかなか長生きのフナだったと思う。
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