しばらく間が空いてしまいましたが，図書館の話をしましょう。

今回は富山県立図書館です。富山市中心街のある呉羽山と神通川の東側ではなく，峠を越えた西側にあります。多くの人は旧８号線を通ってくるのでしょうから，渋滞の多い峠の茶屋を東から来て右折することになるでしょう。しばらく進んで，右手に見えるスロープを上るとその左側に図書館があります。このあたりには，奥には富山県公文書館があり，図書館の道を挟んだ向かい側には富山県埋蔵文化財センターや弓道場がある文教地区です。

私が最初に行ったのは富山市内に住んでいたときで，２階には軽食を出す喫茶コーナーがありました。ちょっと小腹がすいたときに海老ピラフなどを食べて，勉強のつづきをしたものでした。今ではなくなってしまったようですが…。

図書館自体は昭和４４年の移転開館から５０余年が経っているので老朽化しているとのことですが，トイレ入り口のドアを除いてはきれいなままです。蔵書に関しても十分なもので，貸出数の少なそうな本は保存状態もよく気持ちよく読めます。ただし，大学教科書としてよく読まれるような本は，大学図書館の場合と同じく不心得者が書き込んだり，ページを折ったりしていますが，ぜひ他人も読むことを考えて使ってほしいものです。それはさておき，蔵書をコンピューターで検索できるところは多いですが，かなり欲しいものが正確に検索できるので，使い勝手は非常に良い図書館です。

この図書館で蔵書の種類以外に評価できる点は，「国際プラザ」の存在です。欧米諸国や環日本海の国（中国・韓国・ロシア）の書籍が多く存在します。また，雑誌も数多く収蔵されています。韓国マニアが功を奏して韓国語が少し読めるので手に取ってみたのですが，面白い本がありました。相対性理論の話ですが，ぜひ翻訳版を出版してもらいたいと思います。その国ではベストセラーになっていても，なかなか日本で手に取る機会は翻訳されない限りないので，本当に貴重な存在です。

ふと思ったのですが，貸出可能なのは県内在住者・通学者・通勤者のみです。石川県立図書館のように，近隣の県の在住者に貸し出しを行っていないのが残念です。相互利用という観点からは，ご考慮頂けないものかと思ってしまいます。私は富山県民なので，どちらも利用できますが，不公平な感じが申し訳なくて…。