育英センター 田中の教育ブログ「過干渉とマイクロマネジメント」
滑川校
子供「・・・お母さん、遠足のしおりがない。。。。」
母親「え!?本当に言ってるの?ランドセルの中をもう一回探してみなさい。」
子供「うん。」
母親「ない?次はリュックの中も見てみて。」
子供「・・・ない。」
シュババッ ――父親カットイン
父親「いったい何をしてる!また何か無くしたのか!」
母親「遠足のしおりが見当たらなくて・・・」
父親「学校において来たんじゃないのか?早く探しなさい!」
子供「絶対家には持ってきたよ・・・学校じゃな」
父親「お前はいっつもそうだ。どうして大事なものならしっかりしまっておかない?」
子供「・・・」
父親「今すぐランドセルの中身を出しなさい!どうせプリントの間に挟まってるんじゃないか?」
子供「・・・」
父親「ぐずぐず動くんじゃない。ランドセルを渡しなさい!」
ガサガサッ
父親「これじゃないのか?違う?じゃあこれは?」
・・・もう子供はパニックでしょうね。
遠足のしおりを見ていたのは子供ですし、これまでの行動を覚えているのも子供です。
父がカットインしなければ、以下のようになっていたかもしれません。
母親「ない?次はリュックの中も見てみて。」
子供「・・・ない。」
母親「困ったわね。いっしょに思い出してみよっか。学校から帰って、まずは何をした?」
子供「えっと、まずは着替えて・・・それから遠足に持っていくお菓子を買いに行くために財布を持って・・・」
母親「A君といっしょに買い物に行ったのね。それからどうし・・・」
子供「あ!お菓子をいれたマイバッグの中を見てみる!」
子供「あったあった!お母さんありがとう!買い物に行くとき、念のために持って行ったんだった。」
母親は、物を無くして動揺している子供を落ち着かせ、頭の中を整理する手伝いをしただけです。
それとは逆に、父親は子供をさらに委縮させ、頭の中を混乱させていますね。
親が子供に干渉しなければいけない場面は確実にあるのですが、
①子供の能力を否定し、自分は子供のことを全てわかっていると思い込む
②自分のやり方が絶対に正しいと信じ、それを強制させる
③子供のための行動だと思っているが、途中から感情的になり、自分のたかぶった感情を晴らすための行動にすり替わっている
こうなってしまえば、それは過干渉と言えるでしょう。
過干渉の弊害については、いろいろなところでまとめられていますので、興味がおありの方はご覧ください。
ここではウィキペディアのリンクだけ貼っておきます。
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大人も失敗しますし、物を忘れることもあります。
しかし自分は無謬(むびゅう)の存在であると信じて疑わず、子供を責めているわけです。
こういったことが度重なれば、子供は自信を失い、失敗や叱責を恐れ、どんなに小さな事でも自分で決められなくなりますね。
これらは社会に出てからも深刻な影響を与えます。
過干渉のビジネス版と言えるのがマイクロマネジメントです。
こちらもいろいろなまとめが出ていますが、子育てにおける過干渉と構造は変わらないと思います。
ウィキペディアのリンク
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引用
――部下の立場から見れば、上司がマイクロマネジメントを行っていると感じられることは多いが、上司がそのことを自覚することは稀であるとされる。
親の過干渉も同様で、『子供のことを私はすべて理解している』『子供のためを思ってやっている』という気持ちが、過干渉の自覚を遠ざけているのかもしれませんね。