育英センター 田中の教育ブログ「通知表を上げるには」
滑川校
中学生のみなさんは、学校の3者面談が終了し、通知表も受け取られたことと思います。
先週土曜から3日間、進学相談をさせて頂きましたが、多かった皆さまからのお悩みやご質問は…
・定期テストの番数はそこそこ良いのに、通知表に5がつかない。
・国語の点数のアップダウンの幅が激しい。どうすればよいですか。
・「知識・技能」・「思考・判断・表現」・「主体的に学習に取り組む態度」全てAなのに、4なのはなぜですか。
・親からみても英語が基礎から身に付いていないのが分かる。この夏何をすればよいですか。
などなど……それぞれ多岐にわたります。
できることならば、保護者だけで相談に来られるのではなく、お子様も一緒にお連れ下さい。我々のアドバイスで変わる部分も必ずあるはずです。
アドバイスをまた聞きで(=間接的に)家に帰ってから子供に言うのではなく(←思春期で反発されることがあります)、第3者の我々が生徒に直接言うほうが効果がある場合が多いですからね。
例えば、「主体的に学習に取り組む態度」の項目にBやCしかついていない子に対しては…
まず「宿題は期日を守ってきちんと出してる?」と聞きます。
それに対して「はい」と答えた場合、次に
「やっつけ仕事で答えを写していない?わざと間違った箇所を作ったところで、プロの先生たちにはバレてるよ?」と問いかけます。
ここらでたいていは生徒の落ち着きがなくなってきます。
さらに「授業中、先生が説明して下さっている時、顔を上げて話を聞いている?」と聞きます。
「……一応。」
「後ろの方の席で、前にいる先生に見えないと思ったら大間違い。実は先生には全部見えてるよ。授業を聞かずに落書きをしているとか、近くの席の友達にちょっかいを出しているとか。」
ここで、生徒は苦笑いを浮かべます。
学校の3者面談では、担任の先生にもよりますが、基本的に生徒を褒める方向で話を進める方が多いと思います。
授業中騒いでいる、私語が多い子に対しては、「大変活発で元気が良く、クラスのムードメイカーになってくれています。」
あるいは、授業中に居眠りをしがち、そして授業で積極性がない子に対しては、「物静かで非常に落ち着きがありますね。」
などなど…
ここで親は疑わなくてはいけません。では、なぜ通知表の評価が低いのか、と。
私は金沢本部校に勤務していた際、金大附属中の生徒を多数担当させて頂きました。
テスト結果を見せてもらって、次の定期テストへの臨み方等をアドバイスするのは大変効果的です。
例えば数学で、難しい応用問題は解けているが、慌てすぎて最初の基本計算のところでケアレスミスをしている、などが見受けられれば、
「最初はゆっくりアクセルを踏んでいこう」
「最初の方の問題で落としやすい、という自覚を持とう」
といったアドバイスが有効なわけです。
金大附属中の定期テストは、設問ごとに「知識・技能」や「思考・判断・表現」など通知表の評価項目が明記されていましたね。
よって通知表の評価の上げ方もテストを見ればある程度分かるようになっていました。※現在も明記されているようです。
「知識・技能」と書いてあるところは大切な基本を問うような出題が多く、「思考・判断・表現」と書いてあるものは応用問題が多かったと記憶しております。
よって、通知表の項目の一番上、「知識・技能」の評価が低い子は、授業で行われる確認テスト・小テストにしっかり取り組むこと、定期テストでの暗記で解けるような問題や基本問題(漢字や計算問題…)をケアレスミスなく解くことが求められています。
また、通知表の項目の真ん中、「思考・判断・表現」については、応用力や表現力を問うような設問(国語や英語の作文や社会の記述問題、理科の実験考察などなど…)が上手に書けているかが大切だと考えられます。
実技教科においても同様で、基本的な知識や技能が身に付いているか、そして表現力豊かに楽器を弾いたり歌ったり、絵を描いたりできているか…と何を高めていくべきか、が実は見えてくるのです。
そして何より、一番の通知表を上げる秘訣は何か、といいますと
「親が子供の通知表に関心を持つこと」
だと言えます。
悪い通知表をもらってくると、子供はその数字だけを見て閉じてしまい、2度と開きたくない、と考えます。
しかし、通知表には、次の学期に評価を上げるためのヒントが多数埋もれているのです。
しっかりその学期を振り返って、子供と通知表について話をする時間を持つことが大切です。
特に授業態度や宿題の提出状況などに問題がある場合は、話し合いをして早急に解決すべきですね。
先生との相性を口にされる方もおられますが、9教科のそれぞれ異なる先生方からの評価が総じて低いのならば、相性以前に生徒自身に改善すべきところがある、と考えなくてはいけません。
成績が悪い原因を「あの先生嫌い」「先生に嫌われている」などと、子供は感情論にすり替えがちです。
親に責められたくないのか、自己防衛のためにそう言っている子もいるでしょう。
そこで親は子供の話を聞いてあげる必要はありますが、安易に同調すべきではありません。
当たり前ですが、親が子供の負の感情を追認すれば、子供は日々のその先生の授業内容に耳をふさぎ、学習に大きな影響を与えてしまいます。
冷静に、子供と一緒に通知表を見て原因を分析する時間を取りましょう。
困っていらっしゃる方は育英センターまでぜひご相談においでください。