打ち水があった夏
富山本部校高校部
夕暮れ時。
庭の木々に水を撒いたついでに、すぐ横の側道にも思い切って水を撒いてみた。
途端、風がびゅーっと吹き付けて来て、頬を濡らす汗を一気に吹き飛ばした。
「打ち水」というやつだ。
実家のある商店街では昔、夏の夕刻になると、どの店舗も一斉に前の道路に水を撒いた。
やにわに通りを涼やかな風が吹き抜け始め、おもむろに涼を含んだ夏の夜が始まる。
今や全体がシャッター街となり果てた商店街では、
残念ながら、もはやそんな夏の情景に浸ることは望むべくもない。
そもそも昨今の夏は、打ち水をしたくらいではかえって蒸し暑くなる始末で、
そのまま熱帯夜が夜明けまで居座るのが落ちである。
なんとも興ざめな世の中になったものだと、ゆく夏を惜しむ気すら失せてしまう。
もっと風よ吹いてくれ、とばかりに、ホースの水を夕空に向けて飛ばし続ける僕は、
水道代を気にする細君に叱られるまで、「本来」の夏を取り戻したい一心である。
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