富山育英センター

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読書について

富山本部校(個別指導部)

「最近の若者たちは読書をしなくなった」などとはよく聞く言葉である。国語を教えている私も常日頃感じることである。では、読書をしない弊害とはいったい何であろうか。考えてみると色々思い浮かぶ。知っている語彙が極端に少ない。漢字を読むことができない。読むスピードが遅い。などなど、受験に関する不都合も多く生まれているような気がする。
しかし、もっと重大な何かがあるのではないか。

夏目漱石は「吾々の生命は意識の連続であります。そうしてどう云うものか此連続を切断することを欲しないのであります。他の言葉で云うと死ぬことを希望しないのであります。」と述べている。これに対し、茂木健一郎は、「文学は、世界全体を引き受けたいという人間の切ない衝動の顕れである。そして、世界を引き受けずにはいられないという衝動は、おそらくは漱石の言う不死の願望と関係している。…自分がいつかは死すべき存在であるということを表象した瞬間に、意識ある主体は、不死を切なく願い始める。…この世界で可能な体験のさまざまを感じてみたい。それは、一種の不死ではないか。」と述べている。(茂木健一郎『脳のなかの文学』)                   限りある時間、肉体しか持たない我々は、したいと思ったことがあっても限られる。つまりは、読書を通して色々なことを疑似体験しているのである。そして、その疑似体験を通して何を感じるのか、どう考えるのかが重要なのではないだろうか。そうして、自分の興味ある事、将来したいことなど色々と考えるようになるのではないか。

世の中は便利になっており、スマホ一つあれば、何でもわかる時代である。しかし、そんな時代だからこそ、読書を通して色々と考えてみたいものである。

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