ふるさとの旅寝の夢に見えつるは恨みやすらむまたととはねば
（故郷が旅寝の夢に見えたのは、故郷の人が私を恨んでいるからでしょうか。旅に出てから
一度も便りを送っていないのですから。）

宇多天皇という人が譲位して後、
仏道修行の旅の途中、「日根（ひね）」という地に泊まった際、
お供の橘良利（たちばなのよしとし）に詠ませた和歌です。
天皇の「日根ということを歌に詠め」という仰せに従って詠んだものです。
どこに「日根」が入っとるんじゃ、という感じですが、
実は「旅寝」＝「たびね」に「ひね」が詠み込まれているわけです。
この技巧を「隠し題」または「物の名」と言います。
五七五七七の区切りや表面上の内容に関係なく、事物の名称が隠されているという
ちょっとおもしろい修辞技巧ですね。ちなみに、

憂（う）かりけり旅（たび）は来（き）し方行く先（さき）も
姿（すがた）やつると人（ひと）の見むかも

という和歌は、
「鵜（う）・雁（かり）・鳧（けり）鶸（ひわ）・雉子（きじ）・鷺（さぎ）・百舌（もず）・
鶴（つる）・鳶（とび）・鴨（かも）」の鳥の名十種を詠み込んだものだそうです。

ここまでやるとちょっとしつこいですが、すごいですねぇ。

ふるさとの旅寝の夢に見えつるは恨みやすらむまたととはねば

（故郷が旅寝の夢に見えたのは、故郷の人が私を恨んでいるからでしょうか。旅に出てから

一度も便りを送っていないのですから。）

宇多天皇という人が譲位して後、

仏道修行の旅の途中、「日根（ひね）」という地に泊まった際、

お供の橘良利（たちばなのよしとし）に詠ませた和歌です。

天皇の「日根ということを歌に詠め」という仰せに従って詠んだものです。

どこに「日根」が入っとるんじゃ、という感じですが、

実は「旅寝」＝「たびね」に「ひね」が詠み込まれているわけです。

この技巧を「隠し題」または「物の名」と言います。

五七五七七の区切りや表面上の内容に関係なく、事物の名称が隠されているという

ちょっとおもしろい修辞技巧ですね。ちなみに、

憂（う）かりけり旅（たび）は来（き）し方行く先（さき）も

姿（すがた）やつると人（ひと）の見むかも

という和歌は、

「鵜（う）・雁（かり）・鳧（けり）鶸（ひわ）・雉子（きじ）・鷺（さぎ）・百舌（もず）・

鶴（つる）・鳶（とび）・鴨（かも）」の鳥の名十種を詠み込んだものだそうです。

ここまでやるとちょっとしつこいですが、すごいですねぇ。