アルバイト
富山本部校高校部
東京から帰省してきた大学生にバイト事情を聞いてみた。
居酒屋やファミレスのホールの仕事を経験してみたいと思って、
何軒ものお店に応募しているが、なかなか採用してもらえないらしい。
考えてみれば、ここ富山のような地方でも、大手チェーン店を中心に、
注文はタブレットで、というところが主流になっている上に、
品物はロボットが席まで運んでくるお店さえあるから、
人がさほど必要のないのも頷ける。
7、8年ほど前、旅行で久しぶりに東京に出向いた折、とある居酒屋で夕食をとった。
入店してみると、ホールで働く人の大半が外国人だったことに驚かされた。
そもそも店の前で割引券を配って客引きをしていたのは、黒人の若者だった。
日本人の若者は、最近こういうところでは働かなくなったのかい?
上空赤く照らし出された東京タワーに向かって、そう尋ねてみるしかなかった。
あれからほんの数年。
殊勝にも、多くの人と接する仕事がしてみたいという意欲を持った「日本人」の若者が
目の前にいながら、それもかなわないご時世が今到来しているらしい。
そんな世の中が本当に幸せな世の中なのか、
大の大人は、少し真面目に考えてみてもいいのかもしれない。
