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富山本部校高校部

(1-a) Einstein wrote this book.

この文を受動態にすることはできるだろうか。
能動態から受動態を作るときはA V B → B be p.p. by Aとすればよい(p.p.は過去分詞)から、受動態は(1-b)のようになる。

(1-b) This book was written by Einstein.

これは極めて自然な英文だ。
では(2-a)を受動態にすることはできるだろうか。

(2-a) I can understand this book.
助動詞のcanが入って少し難しいが、形式上は(2-b)とすればよい。

(2-b) This book can be understood by me.

しかしこの文は文脈による支えがないと極めて不自然な英文となる。
ところが(2-b)のmeを(2-c)のようにeveryoneと変更すればかなり自然な英文になる。

(2-c) This book can be understood by everyone.

by meが問題なのかと思いきや(3) は自然な英文だ。

(3) This picture was painted by me.

実は受動態が可能かどうかは意味的な制約も存在しており、そのうちの一つとして

(A) 主語の性質を決定づける。
(B) 主語の状態の変化を表す。

のうちどちらかを満たす必要があるという条件がある。

(2-b)は条件A・Bのどちらも満たしていない。(2-c)は「この本は誰でも理解できる」ということを述べることにより、(3)は「この絵は(他の人ではなく)私によって描かれた」ということを述べることにより条件Aを満たしている。
(4-a)、(4-b)のような文は上の制約を満たしてないため、一定の文脈がなければかなり不自然だろう。

(4-a) This song was sung by him. (himが有名な歌手なら自然)
(4-b) This book was read by him.

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