富山育英センター

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思い出は仕分けできるか?

富山本部校高校部

ほぼ空き家となっている実家を処分することにした。

家具や家電、誰かにいただいた茶碗や皿など骨董系のものをそれぞれ、

いくつかのリサイクル業者に概ね引き取ってもらった。

残るは、今は亡き父母のものを始めとした

プライベートな匂いがプンプンする物の整理、処分である。

税金関係など父母にまつわる書類等は廃棄することにした。

問題はアルバムを含めた写真の類である。

全てを今住む家に持ち帰っても保管場所がないので、

私自身の愛着の度合いに応じて、仕分けすることにした。

しかしなお、である。

 

幼少時代の私や一緒に写る若き日の父母の写真などは持っていくとして、

例えば、父が職場の同僚と旅行に行った時の写真などは、

父が写ってはいても、周囲の人々は全く見知らぬ誰かなのである。

これは、父の思い出ではあるが、決して私の思い出ではない。

愛着の度合いとしては、当然低いものになる。

それでも在りし日の父は、確かにその姿をポートレートに残している。

間接的ではあるが、これも思い出になるのかも…、と思ってしまう。

そんなこんなで写真の整理、処分はここしばらく保留状態である。

結局残る写真はとりあえず取っておくことになるのかもなぁ、と思いつつ、

ようやく訪れた爽やかな秋の風に吹かれる私がここにいる。

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