本日のわたしと仕事どっちが大事なの
富山本部校高校部
The population of Yokohama is larger than Kyoto. 横浜の人口は京都よりも多い.
この文は一見自然に思えるが高校英語では間違いとされる。英語における(おそらくどの言語でも)比較の原則は、比べられるもの同士を比較するということである。上の例文だと「横浜の人口」と「京都」を比べていることになってしまう。正しくは「横浜の人口」と「京都の人口」を比べるべきなので、正しい英文は以下の通りとなる。
The population of Yokohama is larger than that of Kyoto. 横浜の人口は京都の人口よりも多い.
thatは”the + 前出の名詞”を表す用法で、ここではthe populationの意味となる。この用法のthatは、よく知られたthose whoや、上級者向けのthat which(=what)と本質的には同じであり、実際に英英辞典ではまとめて解説されている。that whichは先行する文脈に同種と考えられる名詞があれば、thatはその名詞を指すので”the + 前出の名詞”という用法と一致する。該当するものがない場合はthatは不特定の「こと・もの」を表すので本質的にwhatと一致する。
実は冒頭の文は日常会話では普通に通じるとされる。江川泰一郎氏は「英文法解説」で、この比較の問題が英語圏向けの英文法解説書にも取り上げられていることに触れ、日本人に限った問題ではないと言及している。また、多くのネイティブスピーカーが冒頭の形は自然であるとコメントしている。対応する日本語もそんなに違和感はないはずで、「横浜の人口は京都よりも多い」に突っ込みを入れる人はあまりいないだろう。とは言え、比較の単元では何と何を比べているかを確認するのはとても重要なことである。
