倫理の時間26 「じゅじゅつ」は言いにくいか
富山本部校高校部
先日、授業中に「呪術者」の話になった。
言いなれていると思ったのだが、
その言葉を3回ほど噛んでしまい、授業の出席者に軽く笑われてしまった。
その日は、少し恥ずかしい思いをし、授業を終えた。
授業後に、再度言ってみた。やはり噛んでしまった。
噛まないようにするために、まずは「呪術」の部分だけ言ってみた。
普通に言えた。
再度、「呪術者」と言ってみた。
やはり噛んでしまった。
なぜ「呪術」は噛まないのに、「呪術者」は噛んでしまうのだろう。
「呪術」という言葉は確かに噛みやすい言葉だとは思う。
しかし、今回のことで分かった。
「呪術」という言葉そのものよりも、その後につく言葉が噛みやすさを助長していると。
「かえるぴょこぴょこみぴょこぴょこ あわせてぴょこぴょこむぴょこぴょこ」もそうだ。
「ぴょこぴょこ」はそれほど言いにくくはないが、
「み」や「む」がつくことにより、言いにくさを助長しているように感じる。
単語それ自身が言いにくいのではなく、その前後にくる文字によって、言いにくさが規定されているということだろうか。
そう考えると、私たちの存在もそうだ。
私自身はただの「富永」だが、
育英センターに勤め、私の授業に出席する生徒がいるからこそ、私は「富永先生」となる。
ただ、授業中に噛んだだけなのだが、こんなことを考えてしまった今日この頃である。
今思ったが、普通は「呪術者」ではなく、「呪術師」と言う…。
「呪術師」「呪術師」「呪術師」…
普通に噛まずに言える。
