お悔やみ申し上げます
富山本部校高校部
新しい土地に移り住んで、ちょうど4年の月日が過ぎた
今週、田んぼ一枚挟んだ隣のおじいさんが亡くなった。
こちらが新住民ということもあり、昨年まではほとんど交流がなかったのだが、
今年はこの隣家と一緒に、不燃ごみの立ち合いの担当を2度ほどしているので、
お香典を手に焼香に出向くべきか否かが、今週の我が家の宿題となった。
通夜・葬儀に関するこの町の諸々のルールに関しては、即元班長さんに聞いてきた。
以前暮らした実家のある町ほど、ご近所がなすべき決め事はさほど厳しくはなかった。
不燃ごみの担当を2度ほど一緒にしたとはいえ、格別交流が深まったとは言えず、
一旦は、「やっぱり行くの、やめようかな」と思った。
しかし、である。この時、隣のおじいさんの顔がふと頭に浮かんだ。
この町に住み始めた頃、隣の家に引っ越しのあいさつに伺ったわけだが、
この時応対してくれたのが、まさにこの亡くなったおじいさんだった。
いかにも好々爺(こうこうや)然としたその佇まいが、
僕らをこの町に受け入れてくれる姿勢にも見えた。
「やっぱり、御焼香の一つでも」と思った。
こういうことは、町のしきたりに準ずるか否かではなく、
やっぱり「気持ち」の問題なのだ。
