本日のaardvark
富山本部校高校部
今年の東大英語を解いてみたが、近年では一番難しかった。
さて、私の興味を引いたのは第1問Bに出てくるaardvark[ˈɑːrdvɑːrk]という単語だ。この単語には面白い点が二つある。
一つ目は”aa”という綴りが登場することだ。英語において、母音の連続は”ee”と”oo”はありふれたものだが、”aa”の綴りは相当珍しい。目に触れる機会があるかもしれないのはbazaar(バザー・バザール)やnaan(ナン)ぐらいだと思われる。残りの母音ペアの”ii”と”uu”は日常語彙にはほぼ存在しないに等しい。この事実は暗号解読の際に用いられることもある。”ii”と”uu”の綴りが存在しない理由に、昔の英語では”i”,”u”,”n”,m”,”v”,”w”は縦棒で表されたからという説がある。例えばminimumは昔の英語では”IIIIIIIIIIIIIII”と綴られた。これは実用上きわめて不便であるので、縦棒を連続させる”ii”や”uu”を使う代わりに、”ee”や”oo”を用いようと当時の人たちが考えたのはそんなに不思議ではない。なお、発音と綴りの関係については機会があったら詳しく触れようと思う。
二つ目はaardvarkは特別な語を除いて辞書の一番最初に登場するということだ。和訳すると「ツチブタ」である。ツチブタはアフリカに生息する動物で「ブタ」を名前の一部に含むが豚ではない。以前はアリクイやナマケモノの仲間と考えられていたが、現在では独立した管歯目として分類されている。ほとんどの日本人はこの説明を聞いてもピンとこないだろう。私もピンとこない。ただ英語話者の間ではそこそこの知名度がある動物で、理由はお察しの通り辞書の最初に出てくる単語だからである。
当然だが、この単語を知らなくても東大英語は解けるのでご安心を。
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