トウガラシ
富山本部校高校部
夏がやってくると、ピーマンをほっそりとさせた「万願寺」や「甘唐」が売り出される。
私はこれに薄切りの豚肉を巻き、じっくり焼いて食すのが好きである。
トウガラシゆえ、生で齧ればピリッと来るその辛さが、
火を通すと和らいで、むしろ甘味さえも舌にまとわせるのだ。
先週、とあるスーパーの地産地消コーナーで、少し細身のものが10本ほど袋に入った
「これ」を見つけ、豚肉とともに購入した。
今年初の「小さな夏」を味わってやろうか、という感じである。
ウチに帰って早速、少し大き目のサイズのものを6本ほど選んで肉を丁寧に巻き、
フライパンで一本一本クルクル回しながらジュージューとソテーした。
仕上げに焼き肉のたれをかけて、出来上がり!
食卓に運んで、(ビールをお供に)おもむろにひと齧り。ところが…。
「かっ、辛ぁ~」「辛い、からい!カライ!」
最初の一本だけあまり焼けてなかったのかも?と、二本目を口にする。
やはり痛すぎる「辛ぁ~」である。―ビールがあっという間になくなったよ―
3本目を齧った細君も、「辛い、からい!これもダメ!」。
なんで?
入っていた袋を見た。生産者の手文字で「青唐辛子」。
通常細かく刻んで、少量ずつ調味料的に食すトウガラシらしい。
丸ごと食べるなんてとんでもない。トホホ…である。
「お前そんなことも知らんかったんか!ハハハ」
農家育ちの父の高笑いが、天から降ってきたような気がした。

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