お彼岸
富山本部校高校部
春分の日、秋分の日を中日として前後3日間の7日間を「お彼岸」と言う。
「彼岸(ひがん)」は、川を挟んだ向こう岸。仏様の住む悟りの世界、「あの世」、
「此岸(しがん)」は、川を挟んだこちらの岸。
私たちの生きている、迷いや煩悩に満ちた「この世」のことである。
先日の秋分の日、何気なく金沢方面に買い物に出かける道すがら、
ちらほら墓参りをする人の姿を目にした。
ウチではお盆以外に墓参りをする習慣がない上に、自身の不信心も手伝ってか、
お彼岸に墓参りをするなど思いもよらなかった。
帰り路。
359号線の山道を下りきる手前に「ヒガンバナの里」なる所があることをふと思い出した。
チェーン脱着場に車を止め裏手に回ると、眼前にThat`s農村という風景。
山から流れ来る小川沿いに、彼岸花の群生。
逆立った髪のごとき細い花びらの全てが、情熱の赤、紅焔(こうえん)色である。
(本当に花言葉の一つに「情熱」とあるらしい)
曼殊沙華(まんじゅしゃげ)とも呼び、
サンスクリット語では「天界に咲く花」という意味らしい。
日暮れ時ということもあり、川べりの情景とその強烈な赤の帯に紗(しゃ)がかかって、
そのうち、ここが「あの世」と「この世」の境界のように思えてきたから不思議である。
帰宅後すぐ、亡き母が好きだったブルボンのお菓子を小さな仏壇にお供えした。
拙なる者の、せめてもの志である。
