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私の好奇心4

富山本部校高校部

大西琢朗さんの「論理学」で学んだことについて書きます。第3章についてのものになります。

古典命題論理は,真か偽の値をとる命題(ら)があるとき,どのような帰結が得られるかについて考えるものです。そこに,「絶対に~である」(記号□をつけて表します),「~である可能性がある」(記号◇をつけて表します)という雰囲気(=様相)を付け加えたものが様相論理とよばれるものです。

では,「絶対に」や「可能性がある」とはどのように扱うべきなのでしょうか。それがこの本で初めて学んだ点です。

現在の状況(“世界”)とそこから到達可能な状況を集めたものとして,”可能世界W“という集まりを考えます。世界wから世界xが”到達可能である”ことをwRxと表します。そして,様相論理の枠組み(“フレーム”)に対して,世界ごとに付値(関数)を考えて,古典命題論理を拡張した理論が展開していきます。wから到達可能な世界全体に対して命題pがなりたてば□pが真,また命題pがなりたつ世界がひとつでもあれば◇pが真となります。

様相論理というものが存在することは学生時代から知っていましたが,あまり深く考えず本業の物理(や数学,化学)中心に学んでいました。ある本で,「命題aと集合Aを対応させて考えるときには,□aにはAの内部,◇aにはAの閉包が対応する」というのを見たのですが,どうやらそんなに簡単に処理できなさそうです。(Aの内部やAの閉包とは,大学での数学「位相空間」の内容です。知らなければ読み飛ばしてください。)

演習問題も解きながら読み進めていますが,この章の問題1の(3),(4)は”ちょっとひどい”と思いました。このような場合は,「定義されていない」かと思いましたが,解答解説で注がついていました。確かにそう定義するのは上手くいきそうだと思いますが…。(5)~(8)についても初めての複数の様相演算子の問題ですが,これは定義にしたがって考えれば解けます。

「論理学」は大学の教科書としての使用を考えていらっしゃるので,完全な解答を”敢えて”避けてあるのが読み取れます。Active LearningのQ2,Q3に完全な解答をつけるのは難しくないと思うのですが,大学の先生が学生に演習問題として使いやすそうな問題なので,配慮されているのと推察します。

 

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