新生活・新発見
富山本部校高校部
東急大井町線に上野毛(かみのげ)という駅があるが、
ここには東急グループの礎を築いた五島慶太(ごとうけいた)が設立した「五島美術館」があり、収蔵品の中に「源氏物語絵巻」があることから、たびたび足を運んでいた。
ある日五島美術館の帰りに上野毛駅のホームに佇んでいると、
夕景の頃合い、西の方角、遠く線路の奥に、映像で何度も見たことがあるアレが見えた。
コインほどの大きさの「富士山」だった。
この時、東京からも富士山を肉眼で拝める場所があるんだな、と思い、
つい手を合わせてしまったことを、今でも覚えている。
東京には「富士見坂」という名の坂が多数ある。
「富士見」と付くからには、かつてはその坂から富士山を望むことができたということだ。
ちなみに、私が上京した当初暮らした安アパートも「富士見荘」という名だったが、
立地を考えると、ビルのない昔でもこの場所からかつて富士山が見えたとはとても思えず、
藤沢だったか、藤塚だったか、大家さんの名字に「ふじ」が入っていたから、
おそらくそれがアパート名の由来だろうと思う。
春。旅立ちの季節。
故郷を離れゆく皆さんが新生活を送る町からは、富士山が拝めるだろうか?
