homecoming
富山本部校高校部
期待を胸に上京していく人と、逆に都会での生活を終え故郷に帰る人とが交差する季節。
いつの日かの春、私もやや長い都会生活にピリオドを打ち、生まれ故郷であるここ富山に帰って来た。
いよいよ帰郷しようかという間際、東京ではそれなりに長いつきあいだった友人がふと愚痴をこぼした。
「ここで生まれてここでずっと暮らして来た俺には、帰ることができる故郷なんてないんだよ。俺はいつまでたっても見送ってばかりだ。」
「いつまでたっても見送ってばかりだ」という言葉には、妙に衝撃を受けた。新幹線が街を離れて行く時、林立するビルの風景を車窓からぼんやりと眺めながら、この街を離れる寂しさと、これからもこの街で生きていく者のせつなさをともに噛みしめた。
帰郷して間もなく、はからずも目を止めたのが晴れた日の立山連峰だった。
空の奥まで見え渡る田園風景の中、光にさらされた白のヴェールで上層を覆われた連峰の威容を、ただただ茫然と眺めている自分…。
いつの間にか、得体の知れない屈託のようなものが、さらっと心内から溶け出していく感覚がした。
ふるさとの山に向ひて
言ふことなし
ふるさとの山はありがたきかな
啄木ってやつはやっぱ天才なんだな、と思った。
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