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育英センター 田中の教育ブログ「イグノーベル賞 その2」

富山本部校別館(中学部)

以前のイグノーベル賞の記事の続きです。

 

前回はイグノーベル賞について、日本人の受賞者にスポットを当てて記事を書きました。

 

今回は、2000年にイグノーベル心理学賞を受賞したDavid DunningとJustin Krugerの「ダニング=クルーガー効果」についてお話しします。

 

ダニング=クルーガー効果とは、ざっくり言えば…

 

能力が未熟な人ほど

①自己の能力を認識できない(客観的に見た自分の能力が分からない)

②相手の能力を正しく認識できない(凄い人の何が凄いのかが理解できない)

③ ①と②の結果、自身が非常に優秀であると錯覚してしまう

と紹介されているものがほとんどです。

 

~ダニングとクルーガーの実験~

心理学者David DunningとJustin Krugerは、大学生を集めて下記の実験を行いました。

 

・学生向けに、「ユーモア」「論理的思考」「英文法」の3種目のテストを実施する

 

・上記のテスト結果を見せる前に、学生に自身の成績を予想させる

 

結果、3種目のテストすべて、実際の評価が低い学生ほど自己評価が高く、実際の評価が高い学生ほど自己評価は低くなった、とのことです。

 

我々も多くが、中学2年生の時に、とある病気に罹患し、根拠のない自信にあふれる経験をしますね。

これについては、今も昔も変わらないようで、太古の昔より、賢人たちが「無知の知」「夜郎自大」など、類似の表現を残しています。

「知らない」ということを知ることが、簡単そうで実は難しい、ということなのでしょう。

 

私は、ダニングクルーガー効果とは、成長過程にある人の多くが通る道なのでは?というふうに前向きに捉えています。

 

人間は学べば学ぶほど、自身はまだまだ分かっていないことが多い、ということに気づきます。

それに気づくまでは、自己への自信が学びの推進力になりえます。

 

しかし皮肉なことに、分からないことを理解しようとして学べば学ぶほど、さらに分からないことが増えて行きます。

 

それでも挫折を繰り返しながら学びを続けていくと、人間の短い人生で全てを知ることなど到底不可能であることに気づくのです。

そして道を絞ってひたすら探究していくことになるわけです。

 

自分の決めた道を探究する中で、もし自分の能力に限界を感じたとしても、他者の能力を理解、想像する力があれば、世の中は生きやすくなるでしょう。

他者との相互理解があれば、協働ができるからです。

 

 

さて、現在私は春期講習のまっただ中、今日は新中1の授業でした。

そして、生徒の皆にこういうことを言いました。

・塾は間違いに来るところ。塾で先に間違えて、学校のテスト、大事な入試で結果を出すのが理想。

・間違いを恥ずかしがってはいけない。また友達の間違いも笑ってはいけない。

・間違いから学べるようになることが何よりも大切。

 

集団授業では、皆で正しい考え方や、皆がしやすい間違いをシェアすることが非常に大切になってきます。

私は、協働や対話型の学びを通して、ダニングクルーガー効果の負の部分に打ち勝っていくことができると考えています。

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