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育英センター 田中の教育ブログ「探究」その1

富山本部校別館(中学部)

本日は、探究についてのコラムです。

似たような、「探求」ということばを広辞苑で調べますと、「ある物事をあくまでさがし求めようとすること。探索。」と書いてあります。

同じく「探究」ということばを調べますと、「物事の真のすがたを探り、見きわめようとすること。」と書いてあります。

 

前者では、「追求(追い求めること)」の意味が強く、

後者では、「考究(問題を深く掘り下げて考えること)」の意味が強くなるのですね。

 

そして、この「探究」という言葉が、これからの教育において、確実に増えていきます。

 

 

新学期から全国の高校で「総合的な探究の時間」がスタートするほか、入試に探究学習を取り入れた「探究評価型入試」も出てきます。

 

また、先週、2023年度から使用される高校の新教科書の検定通過のニュースも入りましたね。

学習指導要領の改訂にともない、高等学校における新たな選択科目となる「世界史探究」「日本史探究」「地理探究」「論理国語」「古典探究」等の教科書が検定通過となった訳です。

 

歴史を遡りますと、探究という言葉が教育界に大きく取り上げられだしたのは、京都の堀川高校探究科の成功からだと思われます。

※京都の堀川高校探究科の奇跡については過去の記事で取り上げております。

過去記事はこちら

 

 

そして昨今、堀川高校をモデルとした、探究と名のつく高校の学科が全国で増えています。

文理の垣根が低くなる中、理数系の科が、探究系の科として生まれ変わっているのです。

 

富山県では早くから理数→探究へと舵を切りました。

2011年4月、御三家および魚津高校、砺波高校の理数科(定員40名)を廃止し、御三家において探究科学科(定員80名)を新設しています。

 

当初、探究科学科では、推薦入試で定員の4分の1(20名前後)を募集していましたが、2013年を持って推薦入試を廃止しています。

推薦入試廃止に触れた過去記事はこちら

 

探究科学科設立の背景には、理数科の生徒の文転(理系の科であるにもかかわらず、文系の大学を志望)が毎年一定数出ていた、という事情もあったと思います。

理数科が定員割れした場合、本来理系向きではない子も、普通科から理数科へスライド合格するケースもあったでしょう。

文系の大学を志望する場合、入試で問われない理系科目も理数科であれば当然カリキュラムに含まれます。

 

探究科学科では、理数科学科(理系)・人文社会科学科(文系)を選択できますので、上記の問題はクリアできます。

ただし、年によっては探究科学科80名中8割超が理系を志望する高校もあるそうで、近年の理系志向の強さを感じます。

 

余談ですが、私が新川地区勤務の頃、魚津高校理数科を志望する子は「何かにとがった子」が多かったように思います。

それが数学であれ、スポーツであれ、個性的な面々が揃っていました。

理数科は多様性の受け皿として、実は重要な役割を果たしていたのかもしれません。

 

長くなりましたので、次回につづきます。

 

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