靴の脱ぎ方
富山本部校高校部
皆さんは靴はどう脱ぎますか。
私は幼いときから,よそのお宅を訪れるとき,靴はつま先を入口の方を向けて,室内にはかかとを向けてそろえて脱いだあと横に寄せるというやり方を徹底して教え込まれました。なんとなく,「お邪魔を致します。長くはとどまりません。」という意思を表しているような,そんな脱ぎ方だと思います。
それに対して,韓国の時代劇を見ていると,高貴の身分の人の家に行くときも,靴はいわゆる脱ぎ散らかしのようにして室内に入っていきます。日本人からすると失礼な気がしますが,礼儀秩序を重要視する儒教の国ではそれでよいようです。これは,現代のドキュメンタリーで韓国の家庭を訪問しているとき,靴に着目するとそうなっていることが多いです。詳しく聞いたことも調べたこともないですが,ひょっとしたら,「何事もさておき,一目散にはせ参じました。」という意思を表しているのかもしれません。
京都に住んでいたとき,夏のある日に友人のお宅にお邪魔したとき,頂いた麦茶を一気飲みし,おかわりも頂いてしまいました。あとでその友人が,「京都では,そんなことをしたらもてなしに不満を持っているという意味になってしまうよ。」と教えてくれました。おもてなしの量が少なすぎたので,すぐ無くなったじゃないかという感じのようであると。正しくは,残り一口分残して我慢するという対応らしいです。多くの場合,相手が気付いてくれて,お代わりを頂けます。
韓国では,全く反対です。器をしっかり空にしてからでないと,追加の水は入れてもらえません。これは,死者に対する弔いの水のとき,まだ残った状態で追加を注ぐことになります。それと同じことをするのは大変不吉なことなので避けられるということらしいです。
日本では,木製の小さな椀にご飯を入れるので,簡単に持ち上げることができます。なので食べ物をこぼさないように,ちゃんと茶碗をもってたべるように教えられます。そうしないと「犬食い」と言われてしまいます。
韓国では,金属製の器に入っていることが多く,重く熱くて持ち上げられません。なので,匙(スッカラk,sutkarak)と箸(チョッカラk,chotkarak)で食べます。そうしないと「猿食い」と言われてしまいます。
「郷に入っては郷に従え」とはよく言ったもので,それぞれ合理性があります。できるだけ失礼ないようにはしたいですが,自分の文化の経験がかえって邪魔をしてしまうことがあります。それは仕方のないことですので,起こってしまったら謝るしかないでしょう。きっと相手も分ってくれます。
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