スタンド・バイ・ミー
富山本部校高校部
県西部に鉄道の廃線跡がそのままサイクリングロードになっている区間がある。
小学校高学年の頃、二人の友人と自転車でこの道を時間の許す限り、何度も走った。もっとも、小学生がそんな遠くまで自転車で出向くのは学校から禁止されていた。「遠乗り禁止」というやつだ。(帰りの会で誰かにチクられ、先生に怒られたこともある)
でも、例えば春もただ中のちょうどよい晴れやかな暖かさの頃、僕らはわずらわしいことは一切忘れ、ただ走りに走りまくった。初詣に多くの参拝客が訪れる神社前の駅跡、そして隣のⅠ駅は今でも当時の駅舎とホームが残されており、そこを通過する時は、まるで電車さながら入線する気分を味わえた。すぐ横の元踏切とおぼしき交差点の脇には、自動販売機小屋があり、パンやジュースで休憩をとることができるこの場所を僕らは「オアシス」と呼んだ。道すがら口の周りを真っ赤に染めてニヤリと笑い、「これどうけ?」と何かを差し出した老婆に恐怖を覚え、「ひゃあ~」と一斉に猛スピードで逃げ出したこともある。
小さな小さな大冒険の日々だった。
昨今の物騒な世の中では、子どもを一人で外出させることさえ憚られる。せめてここ富山のような田舎だけは、いつまでも「冒険少年」たちが生き生きとあちらこちらを自由に走り回れる場所であってほしい、と願う。
※ちなみにあの老婆は、草むらでただひたすら野イチゴを貪っていただけで、それを僕らにも勧めてくれた「優しいおばあちゃん」だったことに、のちに気づくことになる。
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