育英センター 田中の教育ブログ「なぜ勉強しなきゃいけないの?」
滑川校
近年の科学の発達、特に電子機器の急速な普及がもたらす影響は大きいですね。
本来、我々人類もほ乳類、脊椎動物です。
しかし、100年前と現在では、その生育の仕方が大きく異なってしまっています。
下記はお茶の水女子大名誉教授、内田伸子先生の以前の研究概要の抜粋です。
国立情報学研究所のページから引用しました。
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-15330139/
研究概要
メディア環境の変化に伴い、幼児がゲームやビデオなどの映像メディアに長時間接触することにより、子どもたちの育ちに深刻な影響が出始めている。親たちは”幼児の学習や発達を促す”教材であると考え、早期教育ビデオの巻き戻し視聴を放任し、早期教育用ソフトへの接触を奨励している。これらの映像メディアへの接触が子どもの肉声への敏感性や集中力を失わせ、コミュニケーション能力を遅滞させると言われているが、その証拠は十分ではない。本研究では教育ソフトに長時間接触することにより対人的コミュニケーション能力の発達にどのような影響があるかについて明らかにするため、調査研究、実験研究、短期縦断研究を実施した。
第1に、幼児をもつ保護者3000名を対象にして子どもを取り巻くメディア環境を調査した結果、メディアに接触する時間は低年齢ほど長く、強制的しつけスタイルを受けている子どもほどビデオやゲームに長時間接触することが明らかになった。
第2に、ビデオゲームの使用経験を絵本の読み聞かせ経験と比較した結果、ビデオゲーム使用時の会話は乏しく、教育目標として掲げられた能力の向上も見られなかった。
第3に、ビデオゲーム使用中の母子の会話を縦断的に追跡した結果、ゲーム操作についてのコメントは増えるが、教育ソフトの内容についてのコメントは殆ど見られず、ゲーム中の会話は殆ど見られなくなることが判明した。これらの研究成果を踏まえて幼児期の子どもの学びを促すメディア環境のデザインはどのようなものが望ましいのかについて提言した。
出演していらっしゃるYouTubeの動画では、研究対象の成長が遅れている子供たちは、生後6か月から1歳半までに、早期教育のビデオ教材を1日に1時間以上見せられていた、ということもおっしゃっておられました。
一種の脳梗塞状態、というワードも出ましたが、本来のヒトの脳の成長過程で、処理できる以上の情報が与えられ、一種の脳梗塞状態に赤ちゃんがなってしまう、ということなのでしょうか。
人間も動物である、と改めて感じさせられます。
さて、中学生と日常的に触れ合っている私ですが、ビデオゲームや動画視聴が楽しすぎて、勉強をおろそかにする子供たちが明らかに増えていると感じています。
それと同時に、「なぜ勉強しなきゃいけないの?」という問いも増えてきているように思います。
以前、その問いに対する答えをテーマにしたブログを書きました。
↓過去記事はこちら
我々大人がいうより、より年の近い学生の意見に生徒は耳を傾けた、ということなのですが…
「君たちは宝くじだ。それも自分の努力で当てにいける宝くじだ。」
これは大人にはなかなか言えないセリフです。
最近のネットニュースで、かなり心に刺さったのが、「あのちゃん」という芸能人の「なぜ勉強しなきゃいけないの?」という質問に対する回答です。
↓
あのちゃん「勉強やる意味分からない」相談にズバリ回答「大人になって圧倒的にバカにされる回数増える」
もし、似たような質問を子供にされ、困っている方がいらっしゃるなら、参考にされてはいかがでしょうか。
親の世代からの言葉より、子供たちの心に響くかもしれません。