育英センター 田中の教育ブログ「育英模試の強み、育英講師陣の強み」
滑川校
育英模試の作成は、我々育英センター職員の主要な業務の1つとなっています。
どのようにして育英模試を作成しているか、私、田中の国語の例を挙げますと…
①文章案の策定
実は、国語の模試の作成については、文章選びで9割は完成している、といっても過言ではありません。
文章を読んで、次から次へと問題案が浮かぶような、それも生徒にしっかり考えさせるような良問が浮かぶものを選びます。
そして文章選びのためには、普段から書店、図書館、古本屋さんに頻繁に足を運ぶ必要があります。
そこで出会った良書のストックをためておくのです。
以前、心理学者の故・河合隼雄先生が自伝的小説『泣き虫ハァちゃん』を出されたとき、新書で購入し、いち早く育英模試で出題させて頂きました。
良い文章はだれの目にも留まるようで、その後様々な入試や問題集で、『泣き虫ハァちゃん』からの出題がありましたね。
②問題案作成
問題を作成するときには、全国の入試問題に目を通し傾向をつかむことが大切です。
なお、高校入試の問題だけにとどまらず、大学入試や中学入試の傾向もつかんでおきます。
育英センターは小学生、中学生、高校生や予備校生を教えている先生同士で情報交換ができるのが強みですね。
また、石川県、福井県、富山県と県を越えての情報交換も盛んです。
最終的には模試を出題する県の出題傾向に合わせ、新傾向も織り交ぜながら問題をつくっていきます。
模擬試験の「模」とは、「まねる」という意味ですから、本物の県立入試を模していかなければいけません。
③育英センターの国語の先生たちでの検討
模試の案は、育英センターの国語の先生たちの会議で検討します。
ここで作成者の主観や、誤解を招きそうな問題文の言い回しなどを排除していきます。
そして県立入試の難易度に近づくように、調整するのです。
④問題確定、採点基準の作成、著作権料の支払いetc…
問題が確定すれば、採点のガイドラインを会議で検討し、文章の著者に著作権料をお支払いし…と実施までの諸業務をこなしていきます。
以上は国語の例ですが、他の教科も流れはほぼ同じです。
そして、育英模試では、回ごとに作成者を変更しています。
やはり、大なり小なり、出題者の個性が反映されますからね。
ここで、みなさんに声を大にして言いたいのは・・・
模試は継続して受験しましょう
ということです。
上記のように、育英模試は入試問題を的中させるため、多大な労力を注ぎ込んで「手作り」で作成しています。
そして異なる回で同じ問題を出さない、つまり出題が被らないように、会議で調整しています。
育英模試を継続して受けることで、本番の入試で類似問題や全く同じ問題をみることになるのですから、当然有利になりますよね。
さらに自分の成績推移も一目でわかります。
我々育英センターが入試に強い理由の一つは、何を入試で出してよいか、どういう問題が出やすいのかを講師陣が熟知していることです。
(模試を作成しているわけですから当たり前といえば当たり前ですが)
分かりやすい例で言えば、国語の漢字の出題です。
県立高校の漢字の書きの設問については、小学校既習範囲からのみの出題となります。(読みは中学校で習うものも出ます)
以前、富山県立入試で「注意をカンキする」という書きの出題がありました。
喚起の「喚」が中学漢字であるということで、入試実施後、全員に得点を与えることになったのです。
公立高校入試においては、学習指導要領の範囲を逸脱した「出してはいけない問題」というものが全教科にあるわけですね。
なかなか志望校の目標点に届かない「余裕がない受験生」にとっては、入試に絶対に出ない内容の学習に時間を割くのは避けたいものです。
この夏、入試に向けて効率の良い学習をしたいみなさま、講師陣に入試のプロがそろう育英の夏期講習でぜひお待ちしております。