秋風の吹きて
富山本部校高校部
吹きそよぐ風にようやく秋の気配が感じられるようになってきました。
ひとつ古文の問題です。
男が太宰の帥(そち)として、筑紫の国に下った。都人の妻を引き連れての下向だったが、男は筑紫に下るとすぐ別の女に心惹かれ、元の妻の安否さえ顧みることがなくなった。
《花の都人は古めかしくなりて、うすき袂(たもと)に秋風の吹きて、あるかなきかを問い給はずなりぬるを……》
さて、傍線部「うすき袂に秋風の吹きて」とはどういう意味でしょうか?
【答え】
この場合、「秋」には「飽き」が掛けられており、「秋風の吹きて」とは、男が都から連れて来た妻に「飽きてしまった」ということを意味します。そうなると「うすき袂」からは「薄情」という意味が想起できそうですね。
夫に顧みられなくなった元の妻は、筑紫の地で病に罹り、再び都を目にすることなく、この地でひっそりと亡くなります。臨終間際の妻から送られてきた歌を見た男は、変わらぬ自分への愛情を思い知り、この死をきっかけに新しい妻も子供も見棄て、出家します。後に範円聖人という立派な僧にはなるのですが……という話。
秋ははかなくもせつない風が吹く季節ですね。
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