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育英センター 田中の教育ブログ『中学校の定期テスト削減について』

滑川校

全国的に中学校の定期テスト削減の動きが広がっているようです。

 

私の現在所属する滑川校には、主に近隣の5つの中学から生徒にお通い頂いています。

 

そのうち令和5年、1学期の中間テストを実施しなかったのは4中学。

 

つまり、1学期中間テストを実施したのは1中学のみでした。

 

なお、2学期中間テストにつきましては、1学期とは逆に5中学中4中学が実施、1中学が一部教科のみ実施となりました。

 

 

さて、全国的なこの定期テスト削減の流れですが、元をたどると・・・

 

宿題廃止、定期テスト廃止、担任制廃止という大きな改革に踏み切った東京都の中学が有名ですね。

 

そう、千代田区立麹町中学校です。

 

麹町中では、定期テストを無くした代わりに、何回でも再チャレンジできる単元テストや実力テストを実施、学習に対する生徒の自主性を育むことを重視しました。

 

一発勝負の定期テストでは、友人、クラスメイトとの点数の差、番数の差をどうしても意識してしまいます。

 

しかし、希望すれば何度でもチャレンジできる単元テスト、実力テストにおいては意識のベクトルが自己に向きます。

 

戦う相手が過去の自分ですからね。マリオカートにおけるゴーストのようなものでしょうか。

 

 

しかし、単元テストといえども、テストの回数自体が増え、先生方のテスト作成負担、採点負担は逆に増えるのではないか、と思われる方も多いことでしょう。

 

ところが・・・

 

大手企業と協力し、採点のデジタル化などで効率化をはかり、業務多忙な先生方のテスト採点時間をなんと6割も削減できたそうです。

 

その分、先生方は生徒たちとコミュニケーションをとる時間も増えたことでしょう。

 

他人との比較ばかりをして自己肯定感が低下、学習への意欲を無くす子が大量に出ることを避けるためにも、『褒め言葉』は重要です。

 

再々テストで合格できた子

前より点数が大幅に上がった子

授業をきちんと聞くようになって一発で単元テストを初めて合格できた子・・・

 

先生方、そして保護者のみなさまが、これらの成果に対して、きちんと声をかけてあげられることが大切だと思います。

 

田中個人としては、そのような機会が増えるのであるならば、定期テストの削減は大いに賛成です。

しかし、単に定期テストの回数を減らしただけではデメリットのほうが大きくなると考えます。

 

デメリットの例としては・・・

『期末テストの試験範囲が膨大になる』

途中に単元テストを挟まず、単に中間テストを廃止してしまえば、その分期末テストの試験範囲が膨大になります。

試験範囲表を前に絶望的な気持ちになり、学習をあきらめてしまう子もでかねません。

 

『定期テストに慣れていない中1への影響』

期末テスト一発勝負になったとき、範囲全ての復習ができず、平均点が低くなりがちです。

そして中1は定期テストに向けての学習の進め方が、まだ身に付いていません。

 

例えば学年平均点が50点前後のテストでは、おそらく10点台、20点台をとっている子がゴロゴロでていると考えられますが・・・

中学校に上がって初めての定期テストで、小学生のときには見たこともない点数をもらってくる。

 

子どももショック、親もショック、そしてなにより学校の先生方もショックでしょうね。

テストにおいては見直しが何よりも重要ですが、答案をどこかに封印したくなるような点数では見直す気も失せるというものです。

 

よって結論としましては、定期テストを削減するのであれば…

・小テストなどを実施して範囲が広くなりすぎないようにする工夫

・採点のデジタル化など、先生方の業務負担の削減

・中1に対する配慮・ケア(特に一学期)

が大切だと考えます。

 

※なお、4年前まで私は金沢本部校で勤務していましたが、当時、麹町中にならって定期テストや宿題を廃止した金沢市の中学の生徒たちも担当していました。

当時、子供たちや保護者の皆さまから、状況をいろいろ教えてもらいましたね。

単元テストが週2回実施されるなど、北陸の学校では初めての大きな改革でしたが、周囲の反対も根強かった記憶があります。

 

 

育英センターでは塾内テストを学期内に2回(3学期は1回)実施しておりますが、北陸3県での偏差値や順位まで結果が出ます。

自分の中学校の中だけでは見えない、他中学も含めた全体の中での自分の位置を見るのには最適です。

大切な定期テストの前哨戦としても利用していただければ、と思います。

 

わたしの口癖でもありますが、『塾は間違いに来るところ』です。

自分の分かっていないところや、自分のしやすいミスを自覚、そして復習し、学校のテストや入試で結果を出してもらう場所です。

 

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