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私の好奇心1

富山本部校高校部

いつも図書館について書いていますが,しばらくお休みにします。その代わりに最近興味があることを書いていきます。お付き合いください。

「論理学」という学問をご存知でしょうか。高校数学では,「命題」の「真」・「偽」,「逆」,「裏」,「対偶」といった言葉や,「背理法」などといった証明法を学びます。それが実は論理学の入門です。論理学は,いくつかの前提から結論を得るための正しい手法について研究する学問です。古くはギリシア,インド,中国の哲学者が研究し,現代まで哲学分野から研究されています。その後,数学計算の正当性を保証するものとして数学分野からの参入が起こり,一気に深化しました。その後コンピューターの開発発展によって情報科学が成立すると,情報科学からの参入も起こっています。現在論理学を研究しているのは,哲学系,数学系,情報科学系のみならず,制御工学系,言語学系など様々な出身の方たちです。

私は学生時代に一般教養科目として論理学を受講しました。担当された教授は哲学者で,当然哲学系の授業でした。プラトンのイデア論,アリストテレスの論理学の話から,命題論理(教授は「言明論理」とよぶ方が適切と常々おっしゃっていましたが…)までの内容で,教科書(教授の著書)にはさらに述語論理まで記されていました。文章をまるで数学の変数のように扱い,文章同士の関係を演算のように扱います。例えば,「すべての人間は死ぬ」という”言明”をp,「ソクラテスは人間である」という”言明”をq,「ソクラテスは死ぬ」という”言明”をr,「かつ」という”連言”を∧,「ならば」という”(実質)含意”を→として,「p∧q→r」などと表して分析していきます。

youtubeでたまたま論理学者である大西琢朗さんの動画を見て,久々に勉強してみようと本を買いました。大西さんは京都大学文学部哲学科の先生です。本の内容は標準的というより個性的です。学生時代に学んだものと比べ,(古典論理と総称される)命題論理・述語論理だけでなく,様相論理や直観論理に多くが割かれていて,見識が広がったように感じます。最近の本にありがちな軽妙なタッチで書かれているので,堅苦しすぎずスラスラ読めます。ただし,著者の真意を理解しようとするとそこはやはりしっかり紙と鉛筆をもって学習してみることが必要になります。現在,第Ⅰ部,第Ⅱ部までをざっと読んで,新規に学んだ様相論理を中心に再読・問題演習を進めています。

難しい分野の勉強の仕方は,(ⅰ)「深く,納得しないところを残さないよう,ゆっくりと着実に読み進める。」,(ⅱ)「とりあえず概要をつかみ,そのあと何度も読み返すことで,実態を把握する。」の二択だと思います。私は,(ⅰ)に陥りやすい癖があります。一方,(ⅱ)をしているつもりでしょうが,読み込みが浅く結局理解していない人をよく見かけます。どちらかよいかは分かりません。(ⅰ)でも(ⅱ)でも,それは個性だと思います。それでも,これまで分からなかったことが分かるようになると嬉しいものだと思います。是非,能動的になって「知る楽しみ」を求めていきましょう。

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